透明水彩で水がうまく描けない…
そんなふうに感じた事はありませんか?
- 水の色が濁ってしまう
- 水の色が青くなりすぎる
- 透明感が出せない

こんにちは。画家のマキノ ロランです。
私は、透明水彩初心者のために、
水彩画の魅力を伝える連載を続けています。

実は、少し視点を変えるだけで
水は一気に描けるようになります。
水そのものは「描くもの」ではなく
「現れてくるもの」という視点です。
この記事では、
「透明水彩 水 描き方」をテーマに、
初心者でも再現できる方法を解説します。
まずは、
- 透明感の正体
- 初心者でもできるシンプル技法
- シーン別の描き分け
を、実践しながらわかりやすく解説します。
Contents
透明水彩|水を描くための混色カラーチャート(青×茶)
実践解説の前に、
透明水彩で「水」を描くための
青と茶色の混色カラーチャートを紹介します。
水の色は、単純な「青」だけでは表現しきれません。
ほんの少し茶色を加えることで、
水に深み・濁り・空気感・自然な透明感が生まれてきます。
特に透明水彩では、
・粒状化する青
・染み込む青
・赤みのある茶
・土っぽい茶
など、絵具の性質によって
水の表情が大きく変わります。
ここでは、
「青×茶」の組み合わせによる違いを整理しながら、
・透明感の出やすい組み合わせ
・静かな水に向く色
・深い水に向く色
・自然な濁りを作る色
を比較できるようにまとめました。
このチャートは、難しく考えず、
「水の色にはたくさんの可能性があるんだな」と眺めるだけでも大丈夫です。

※ G(グラニュレーション)=粒状化し、ザラついた表現になる
※ S(ステイニング)=紙に染み込み、鮮やかで透明感が強い
用途別おすすめまとめ
🧑🎨 初心者におすすめ一押し
① コバルトブルー × バーントシェンナ
→ 最も失敗しにくい定番の組み合わせ
この組み合わせを使って、
この先のセクションで、実際に水を描いてみます。
🧑🎨 透明感を出したい気分のとき
② フタロブルー × イエローオーカー
→ 澄んだ浅瀬や光の表現に最適
🧑🎨 深い水を描きたいとき
③ ウルトラマリン × ペインズグレイ
→ 重さと奥行きが出る
🧑🎨 自然な川の水に挑戦するとき
④ セルリアンブルー × バーントアンバー
→ 少し濁ったリアルな水になる
この記事で学べること
- 水が“現れる”考え方
- 透明感を作る3つの基本
- 海・湖・水滴の描き分け
- にじみ・白抜き・反射の使い方
- 初心者でもできる2色練習法
透明水彩で水は描かない|水が現れる仕組み

水は透明です。
つまり、私たちが見ているのは
水そのものではなく「水を通した世界」です。
👉 川 → 石や砂
👉 海 → 光と深さ
👉 水滴 → 周囲の反射
👉 水面 → 水の周りにあるものの色
特に風景では、周囲の色を描くと水が現れます。

この感覚をつかんだ瞬間に
「あ、水が見えてきた…!」となります。

透明感を作る3つの基本

このセクションの要点は、
透明水彩で水の透明感を出すために必要な
次の3つの要素を確認することです。
- 重ねる(レイヤリング)
- にじませる(にじみ)
- 白を残す(ハイライト)
透明水彩で水を描くときに重要な
これら3つの基本を軸に、
透明水彩の美しさを最大限に引き出していきたいと思います。
① 幾重にも重なる色の層(レイヤリング)

湖の底に沈む石が、ゆっくりと青に溶けていくように、
薄い色を丁寧に重ねることで、
水特有の「奥行き」が生まれます。
👉 下の色がしっかり乾いてから重ねる
この「層」の重なりが、単一の色では決して出せない、
吸い込まれるような深みを連れてきてくれます。
レイヤリングをマスターすることが、
透明感を引き出す1つ目の基本です。
② 水と色がほどける瞬間(にじみ)

たっぷりと水を含ませた紙の上に色を置くと、
じわじわと色が広がり、境界線が溶けていきます。
この「曖昧さ」こそが、水のやわらかさそのものです。
全てをコントロールしようとせず、
水彩絵の具が動く自然な流れに任せてみます。
偶然に生まれた淡いグラデーションが、
水の“流れ”や“空気の動き”まで感じさせてくれます。
この「にじみ」をマスターすることが、
透明感を引き出す2つ目の基本です。

色がにじまず「フチ(バックラン)」が出るぞよ。
紙は十分に湿らせてから絵の具を塗るのじゃぞ。

「横に流れている目の状態」で描き始めると、
後々のにじみがきれいです。
③ 描かない光(紙の白)

水面のきらめきは、塗るのではなく
「紙の白」を残して表現します。
下書きの段階でハイライトを確認します。
ハイライトは、
水面に表情を作り出し、
水に光の輝きを吹き込みます。
この「白抜き」をマスターすることが、
透明感を引き出す3つ目の基本です。
まずは体験|2色で「水が現れる瞬間」をつかむ

上段はにじみ(wet in wet)、下段は重色(wet on dry)です。
同じ2色でも、水分の違いだけで印象が大きく変わることが分かります。
このセクションでは、
2色の絵具だけで「水が現れる感覚」を体験することを目的にします。
一見シンプルな練習ですが、
透明水彩における
- にじみ
- 重なり
- 透明感
といった基本要素を、最も分かりやすく体感できる方法です。
難しい技法を覚える前に、
まずはこの2色の実験を通して、水彩の本質的な動きをつかみましょう。
まずは気軽に、基本の2色だけで試してみてください。
なぜ「2色だけ」で水に見えるのか

最初に理屈を解説します。
選ぶのは、この2色です。
- コバルトブルー(澄んだ空のような青)
- バーントシェンナ(赤みのある土のような茶色)
一見、水とは関係のない「茶色」ですが、
この色が入ることで、
水に自然な深みが生まれます。
この2色は、混色すると、
混ぜるとお互いの鮮やかさを少し抑え合う関係にあります。
そのため、
強すぎない「落ち着いた色」が作れます。
混色した色の使い道は、
- 水の中の「石」や「影」
- 深さを感じさせる部分
に適しています。
茶色の川底、混色した石、
青でレイヤリングした水の層、
混色で深みの部分への追加のレイヤリング。
🧑🎨 この2色を使った体験の目的は、
川底の見え方の「変化」を感じることです。

完成作品を求める技法ではなく、
“仕組みの練習”として捉えてください。

ステップで体験する「水が現れるプロセス」
次は体験の工程を解説します。
たった2色の絵具で、
紙の上に「水」を呼び込んでみてください。
【 使う色 】
- コバルトブルー
- バーントシェンナ

Step1:川底に「記憶」を置く

まずは、水底にある石や砂の表情を描きます。
2色の混色バリエーションで色に多少の変化をつけます。
- ポイント:
① 明るめに茶色で濃淡をつけながら地面を塗る。
② 乾燥させる。
③ 混色した色で形を重ねるように石を描く。
- 感覚:
少し明るく感じる程度でも大丈夫。
後から重ねる青が、ちょうどいい深みに変えてくれます。
Step2:静かな「待ち時間」
描いた絵具を、「完全に」乾かします。
ここが最も大切なステップです。
- ポイント:
① 表面のテカリが消え、紙がカサつくまで待つ。
- 理由:
ここでしっかり乾かすことで、
次に重ねる青と混ざり合わず、
濁りのない「透き通った層」が作れます。
Step3:青い「ヴェール」

乾いた川底の上から、
たっぷりの水で溶いたコバルトブルーをスッと重ねます。
- ポイント:
① 何度も筆でこすらない。
② 一度塗りでヴェールをかけるように。 - 感覚:
茶色の層の上に青がのった瞬間、
バラバラだった色が一体となって馴染み出し
一気に「水が現れる」感動を味わえます。
Step4:深さをひとしずく
最後に、水の深い部分や石の影に、
少しだけ濃い色を足して引き締めます。
コバルトブルーに少量のバーントシェンナの混色で「深いネイビー」を作ります。
- ポイント:
① 水の深さを感じさせる部分をレイヤリングする。
② 石の影を少し付け加える。 - 注意:
入れすぎると水の透明感が消えてしまいます。
「もう少し足したいな」と思うところで筆を置くのが、
瑞々しさを保つコツです。


ここまでできたら、もう「水」はあなたのもと言えます。
うまくいかない原因(濁り・こすり・乾燥不足)

この2色で体験する水の表現では、
つまずきやすいポイントが主に3つあります。
「失敗原因」の練習も
いらない紙切れでたくさん経験してください。
■ 濁り(色がにごる)
下の色が半乾きの状態で青を重ねると、
紙の上で色が混ざりすぎてしまい、
透明感のない「濁り」になります。
■ こすりすぎ(にじみが死ぬ)
せっかくの透明な層も、
筆でこすると一気に濁ってしまいます。
■ 乾燥不足(レイヤーが成立しない)
レイヤリングは透明な「層」が命ですが、
乾燥不足だとただの紙上での混色になってしまいます。
■ ここまでできればOK!
一気に濃くせず、
① 「薄い色」を積み重ねる。
② 「乾く」時間をじっくりとる。
③ 何もしない「白」を残す。
この3つを意識するだけで、
水の透明感は確実に変わっていきます。
高価な道具も、たくさんの色も必要ありません。
まずは小さなハガキサイズから、
あなただけの「青」を広げてみてください。
※ 関連記事:絵の具の選び方を詳しく見る👇
👉 初心者向け 水彩絵の具選び方はこちら
実践編|リアルな水を作る「3層構造の仕組み」

このセクションでは、
透明水彩で水が「存在しているように見える理由」を、
3つの層の構造から理解します。
- 第1層:水底(石・砂などの素材)
- 第2層:水の層(透明な色のヴェール)
- 第3層:表面の現象(光・反射・揺らぎ)
💁🏻♀️ この“重なり”を意識すると、
水は自然に「そこにある」ように見えてきます。
ここでは描き方を覚えるというより、
“なぜ水に見えるのか”を体感することを目的にします。
モチーフは「底が見える浅い川」で進めます。
① 水底に見える色(素材をつくる)

まず描くのは、水の“下”にある世界です。
見下ろした水面では、空の反射は弱く、
水底の情報がそのまま見えます。
☝️ ここは「水」ではなく、
👉 素材を用意する工程です。
■ なぜ多色にするのか 🤔
水の中にはさまざまな色が含まれています。
- 茶色 (石・土)
- グレー(影・濁り)
- 緑 (水草・藻)
- 暖色 (光の粒)
💁🏻♀️ この情報量が、リアルさを生みます。
■ 描き方
- 小さな石は「点」や短いタッチで置きます。
- 一部をぼかして水らしさを出します。
- エッジとにじみを混在させます。
- 濃淡の差をしっかりつけます。
💁🏻♀️ 「描く」よりも置く・散らす感覚でOKです!
② 水の層(すべてを水に変える)

地面が乾いたら、薄い色の層を重ねます。
☝️ これは「色」ではなく
👉 水そのものの役割です。
■ 役割
- バラバラの色をまとめる。
- 全体を水として統一する。
- 透明感を生む。
■ 描き方
- 薄く溶いた色で塗ります。
- 一度で塗ります(こすらない)。
- 水面の状況に合わせて、濃淡をつけます。
- 奥を濃く、手前は薄く奥行きを出します。
💁🏻♀️「ヴェールをかける」イメージで塗ります。
③ 表面の現象(命を入れる)

最後に、水を“生きているように見せる要素”を加えます。
■ 主な要素
① 接地の影
石の下に影を入れることで沈み込みが生まれます。
② 深さ
奥を濃くして空間を作ります。
③ 揺らぎ
濃淡のムラで水の動きを表現します。
④ 反映と反射
周囲の風景や光を取り込むことで現実感が生みだします。
■ 描き方のポイント
- 空の反映 → 彩度を落とした空色
- 周囲の反映 → 色をややくすませる
- 光(ハイライト) → 白を残す(マスキング)
💁🏻♀️ これらが揃うと、
水は「現象」として見えます。
■ まとめ
この「3層構造」を理解すると、
どんな水のモチーフにも応用できるようになります。

水が“それらしく見える瞬間”を感じられたですっぴ!
3層構造って、勉強になりましたですっぴー。

「構造」だけでは描ききれない
モチーフごとの水の描き方を整理していきますよ。
次の段階を理解すると、
みなさんの水は「作品」へのフェーズに格上げされるはずです。
※水面の反射や光の現象については、別記事で詳しく解説します。
モチーフ別|水の描き分け
このセクションでは、
先ほど学んだ「3層構造」をもとに、
モチーフごとの描き分け方を整理します。
水はすべて同じではなく、
- 静かな水
- 動きのある水
- 小さな水
によって表現が変わります。
☝️ ポイントは
👉 どこを強調すると良いかを考えることです。
静かな水と渓流(川・湖・流れ)

静かな水は、
- 横方向の揺らぎ
- 映り込み
- 柔らかい境界
で表現します。
◾️描き方
- 横方向にやさしくストローク。
- 境界をぼかします。
- 色数を抑えます。
◾️ポイント
👉 横方向+ぼかし=静けさの表現
🧑🎨「描きすぎない」ことが重要です。
🧑🎨 3層構造では
「水の層」と「反映」が主役になります。
◾️応用:渓流(動きのある水)
渓流は、
静かな水とは逆に、
「白」
「勢い」
「方向性」
が重要になります。
特に、岩にぶつかった瞬間に生まれる白い飛沫は、
透明水彩と非常に相性の良いモチーフです。
◾️描き方
・最初に岩の位置を決める。
・水の流れる方向を下書きする。
・白く光る部分は紙の白を残す。
・勢いのあるストロークで流れを作る。
◾️ポイント
・白抜きを多めに残す。
・水の方向を統一する。
・細かく描き込みすぎない。
🧑🎨 「白い流れ」と「暗い岩」の対比が、渓流の爽やかさを作ります。
🧑🎨 ハガキサイズで、部分的な練習から始めるといいですね。
海と波(動きと光)

海は
- 波の形
- 光の反射
- 強弱を意識したコントラスト
が主役です。
◾️描き方(基本)
- 白波はマスキングで残します。
- 遠景は細く、近景は大きく描きます。
- 明暗差をよく観察してつけます。
◾️ポイント
・コントラストを強く → 荒い海
・コントラストを弱く → 穏やかな海
・少し形を崩して、波の揺れを出します。
🧑🎨 3層構造では
「現象(反射・光)」の比重が最も大きいモチーフです。
水滴(小さな立体)

水滴は、最も小さく、最も「構造」が見えやすい水のチーフです。
透明感を出すためには、色そのものよりも、
「光」と「」の配置を意識することが重要になります。

◾️描き方
- 影の中に、細い光の形を残します。
- 反対側に白いハイライトを置きます。
- 設置面のすぐ下に、柔らかい影を入れます。
- 明暗差を少し強めにします。
◾️ポイント
☝️ 水滴は「色」ではなく、「明暗の立体構造」で描きます。
特に
「白い光」
「影」
「周囲の映り込み」
この3つが揃うことで、透明感が生まれます。
💁🏻♀️ 水滴は、3層構造(下地・水の層・反射)が最もシンプルに現れる練習モチーフです。

透明感と立体感を同時に演出してくれるのですね。
光と時間|夜の水を描く

昼の水は、「にじみ」や「明るさ」で表現してきました。
では夜の水はどうでしょうか。
夜の水は、水そのものではなく、
💁🏻♀️ “光が浮かび上がることで水が見える世界”になります。
このセクションでは、
昼とは逆の発想で、コントラストによる水の表現を学びます。
夜:光を「浮かび上がらせる水」

夜の水は、
にじみではなくコントラストで描きます。
昼は「光の中に水がある」状態でしたが、
夜は「闇の中に光がある」状態です。
💁🏻♀️ この関係の違いが、表現方法を大きく変えます。
◾️まず試してみよう(重要)
- 画面全体を暗く塗ります。
- 一部だけ白を残します。
- そこに光を集中させます。
🧑🎨 これだけで、夜の雰囲気は成立します。
◾️描き方
- 光の部分をマスキングで保護します。
- インディゴやペインズグレーで全体を暗く沈めます。
- 乾燥後、マスキングを剥がします。
- 光の輪郭を整えます。
- 水面の反射は縦方向に軽く伸ばします。
◾️ポイント
- 暗さをしっかり作ります(中途半端にしない)
- 白を絶対に汚しません(光の核になる)
🧑🎨 深い暗色の中に白を残すことで、光は自然に浮かび上がります。
🧑🎨 状況に応じてうっすらと色を重ね塗りしてください。
水を描くための道具(絵具・紙・筆)

① 絵具:澄んだ世界を彩る「青と緑」
水を描くためのパレットには、
個性の異なる「青」を2~3色忍ばせておきましょう。

- ウルトラマリン(Ultramarine Blue):
少し紫がかった、温かみのある青。
粒状化(グラニュレーション)しやすいため、
深い水底の質感や、複雑な波の影を作るのに最適です。 - フタロブルー(Phthalo Blue):
非常に鮮やかで透明度が高い青。
南国の浅瀬や、光り輝く水面を表現するのに欠かせません。 - ビリジャン(Viridian):
水草が透ける川や、エメラルドグリーンの海を描く際の隠し味に。
青と混ぜることで、深みのある「水の色」が無限に広がります。 - サップグリーン(Sap Green)
少し彩度が低く渋みのある、黄色寄りの緑色。
自然な植物の緑を表現するのに非常に適している。
重ね塗りをしても濁りにくく、
水彩紙の白さを活かした瑞々しい表現が可能になります。
👉 初心者は「透明色(Transparent)」 と表示された絵具を選ぶのがおすすめです。
② 紙:水の魔法を受け止める「300g以上のコットン紙」

水彩画において、紙は単なる土台ではなく、
表現そのものを左右するパートナーです。
水を描くなら、
ぜひ「コットン100%」で「300g以上」の厚みがある紙を選んでみてください。
- 300gの厚み:水をたっぷり使っても紙がボコボコと波打ちにくく、水たまりが偏るのを防いでくれます。「水張り」は推奨します。
- コットン100%の力:パルプ製の紙に比べて絵具の乾きが緩やかなため、初心者の方でも焦らずに、美しい「にじみ」や「グラデーション」をコントロールできます。
保水力の高い良い紙を使うだけで、
絵具が魔法のように美しく広がり、技術をカバーしてくれます。
初心者の方には、まずは扱いやすい
250g~300g前後のパッドタイプから試してみるのがおすすめ。

※ 関連記事:透明水彩紙の選び方を詳しく見る👇
👉 描き心地が激変する!自分に合った水彩紙の選び方
③ 筆:呼吸を伝える「穂先のまとまり」

水を描く筆に求められるのは、
広い水面をムラなく塗るための「豊かな保水力」と、
細かな波紋や光の粒を捉える「鋭い穂先のまとまり」の両立です。
- 保水力(たっぷり含める):
広い海や空を一気に塗る際、途中で絵具が切れると「塗りムラ」の原因になります。
リス毛などの柔らかい天然毛は、驚くほど多くの水を含んでくれます。 - まとまり(繊細に描く):
水面のきらめきや波の輪郭を描くには、濡らしたときに穂先がピンと尖る筆が必要です。
最近では、天然毛のような保水力と、ナイロン特有の弾力(コシ)を兼ね備えた「合成原毛」の筆も非常に優秀です。
大きい画面であれば12号以上を。
一本で「面」も「線」も描き分けられる質の良い筆があれば、
あなたのイメージは指先からスッと紙に伝わり、 水はより瑞々しく呼吸を始めます。
関連記事:筆の選び方をもっと詳しく見る👇
👉描き心地が激変する!自分に合った筆の選び方
よくある失敗と改善方法(Q&A)
水を描くプロセスで、誰もが一度はぶつかる壁。
それらを乗り越えるためのヒントをまとめました。
※ 次におすすめの記事 👇
👉 空と雲の描き方(透明感の表現力をさらに強化する)
👉 葉の緑の作り方(水との組み合わせで風景表現を強化する)
👉 水彩紙の選び方(にじみをコントロールできる紙選びのコツ)
まとめ|水は“現れる”

透明水彩で描く「水」の表現。
水は「色」ではなく、「光と層」でできています。
この記事でご紹介した3つの基本を、
もう一度思い出してみてください。
- レイヤリングで、静かな「奥行き」を重ねる。
- にじみで、水の「やわらかさ」を解き放つ。
- 白抜きで、消えない「光」を残す。
たった2色の絵具から始まった小さな水の世界は、
時間や場所を変え、
あなたの筆を通して無限の表情を見せてくれるはずです。
最初は思い通りにいかなくても大丈夫。
紙の上で色が躍り、水面がキラリと輝くその瞬間は、
あるとき突然、魔法のように“現れる”ものです。
最初から完璧に描こうとしなくて大丈夫です。
まずは、ハガキサイズの小さな紙に、
今日ご紹介した「3層構造」を意識して、
ひとつ、水を描いてみてください。
ほんの少しでも、
「水が現れる感覚」をつかめたなら、
それはもう大きな一歩です。
水は、一度理解すると
どんな風景にも応用できるモチーフです。
次はぜひ、
👉 「緑」や「空」と組み合わせて、
より自然な風景へと広げてみてください。
👉次に挑戦したいモチーフ
「空と雲の描き方:透明感のある風景画をマスターする」
「自然や身の回りにある緑の描き方:2色混色カラーチャート」
あなたの紙の上に、
あなただけの水が流れ始めることを願っています。
💁🏻♂️ 今回の解説よりもっと詳しく学びたい方へ
透明水彩で「水の表現」をさらに深めたい方は、次の記事もおすすめです。
(現在作成中のため、しばらくお待ちください)🙇🏻♂️
【まず最初におすすめ】
・夕暮れの海(空と海が溶けるグラデーションの核心)
・水滴(小さな世界で”立体と光”を完全理解)
【静かな水を極める】
・朝靄(あさもや)に包まれた湖(にじみのコントロール)
・睡蓮の咲く静かな池(水面反映とレイヤー表現)
・水面に浮かぶ一隻の船(静止した水の描写)
【動きと光を描く】
・木漏れ日が差し込む渓流(白抜きとコントラスト)
・砂が透ける浅瀬(透明感の作り方)
【少し特殊な表現】
・雨上がりの水たまり(反射とにじみの応用)
・雪景色の中を流れる川(白と深い青の対比)

ぜひ別の記事でも楽しく学んでいただければと思いますぴー。













