人物の「顔」の描き方|初心者でも失敗しない観察と比率のコツ

人物画の顔の描き方 正中線 比率 ネガスペース 明暗の観察方法を解説するアイキャッチ画像
顔が似ない原因は技術不足ではなく観察不足かもしれません。観察する目を鍛えることで、人物画は大きく上達します。

人物画を描いていると、

「目や鼻は描けているのに顔が似ない」
「正面は描けても横顔になると崩れる」
「どこがおかしいのか、自分でもわからない」

そんな悩みにぶつかることがあります。

実は、多くの初心者が苦労する原因は、
才能やセンスではありません。

顔を「目・鼻・口」というパーツで見てしまい、
顔全体の比率やパーツ同士のつながりを
見落としていることが大きな原因です。

こんにちは。画家のマキノ ロランです。
私は、透明水彩初心者のために、
水彩画の魅力を伝える連載を続けています。

この記事では、

  • 顔の向きを決める正中線
  • 大人と子供の顔の比率
  • 正面顔と横顔の考え方
  • 目、鼻、口、耳のつながり
  • 顔を正しく観察する練習方法

を図解とともに分かりやすく解説します。

上手に描くことを目指す前に、
まずは「正しく見る力」を身につけていきましょう。

この「正しく見る」姿勢は、
透明水彩画の上達にもつながります!

顔の描き方、基本のキ

人物画の顔の描き方 正中線と目鼻口の位置関係を確認する顔の地図
顔を描く前に正中線と目・鼻・口の位置関係を確認すると、人物画のバランスが整いやすくなります。

人物の顔を描くとき、
多くの初心者は最初に目を描こうとします。

目には吸い込まれるような魅力があります。
私も顔の輪郭を描いたら、すぐさま目を描く癖があります。

しかし実際には、目よりも先に確認しなければならないものがあります。

それが、

「顔全体の比率」

です。

どれほど丁寧に目や鼻を描いても、
位置関係が崩れてしまうと、その人らしさは失われてしまいます。

反対に、
大まかな比率が合っているだけで、
細部を描き込んでいなくても「人らしい顔」に見えることがあります。

まずは顔をパーツの集まりとしてではなく、
「顔はひとつの立体」として捉えることから始めましょう。

この章では、

  • 顔の向きを決める正中線
  • 大人と子供の比率の違い
  • 正面顔と横顔の考え方

といった「顔の地図」を学んでいきます。

正中線の魔法|顔の向きを決める一本の線

顔が似ない原因の一つは、
目や鼻そのものではなく、
顔の向きが定まっていないことです。

そこで役立つのが「正中線」です。

正中線とは、

額の中央から鼻先、顎へと続く顔の中心線のことです。

人物が正面を向いているときは真っ直ぐですが、
横を向けば曲がって見え、
斜めを向けば左右どちらかへ移動します。

人物の顔の描き方における正中線の位置。正面・斜め45度・横顔の違いを解説した図
正中線は顔の向きを決める重要なガイドラインです。正面では直線、斜めや横顔では顔の面に沿って曲線として現れます。

目や鼻を描く前にこの一本の線を引くだけで、
顔全体の方向が安定し、
パーツの位置関係も崩れにくくなります。

初心者ほど、目や鼻から描き始めたくなります。

しかし、
まずは正中線を引いて顔の向きを決めることで、
その後のパーツ配置がぐっと楽になります。

以下に、初心者とくに
小学生~高校生でもわかるように解説画像を作りました。
参考にしてください。

人物画初心者向け 正中線を使った顔の当たり線の描き方を解説する図
正中線を基準にして、目・鼻・口・眉の位置を決める手順を5つのステップで解説した図です。最初に当たり線を取ることで、顔全体のバランスを整えやすくなります。

正面顔の比率|大人と子供は何が違うのか

顔を観察すると、
大人も子供も同じようなパーツでできています。

しかし私たちは一目見ただけで、
その違いを感じ取っています。

大きな理由は「比率」にあります。

一般的に、
目の高さは頭部のほぼ中央にあります。

初めて知る人は驚きますが、
髪の生え際から顎までを測ると、
目は思った以上に低い位置にあります。

ただし、顔の大きさに比べて
子供の目は大きく見えます。
それが可愛らしさの一因です。

また、

眉から鼻先、
鼻先から顎さきまでは、
おおよそ同じ長さの関係になっています。

子供は大人に比べて、
鼻や顎の骨の成長がまだ途中段階です。

そのため、目の位置はほぼ同じでも、
額や後頭部の占める割合が大きく見えます。

人物画における大人と子供の正面顔の比率比較図
大人と子供を描き分けるコツは、目や鼻の形ではなく顔全体の比率を観察することです。

横顔の比率|見落とされる頭蓋骨の大きさ

横顔が苦手な人は非常に多いです。

その理由の一つが、
顔ばかり見て頭を見ていないことです。

初心者は、

目・鼻・口に意識が集中しすぎて、

後頭部の大きさを小さく描いてしまう傾向があります。

しかし実際には、
顔よりも頭蓋骨の占める割合はかなり大きいのです。

また、

耳の位置も想像以上に後ろにあります。

横顔を描くときは、

まず頭蓋骨全体の大きな形を捉え、
その後で顔のパーツを配置していくと安定しやすくなります。

人物画における大人と子供の横顔の頭部比率比較図
年齢の違いはパーツの形よりも、後頭部や顔全体の比率に現れます。
人物画の横顔を描くための大人と子供の頭蓋骨構造と首の角度の比較図
横顔の印象は、目や鼻だけでなく頭蓋骨の形や首の角度によっても大きく変わります。大人と子供の違いを観察すると、年齢らしさを表現しやすくなります。

顔のパーツはどうつながっているのか

顔が似ない原因は、
目や鼻を描けないからではありません。

実は、多くの場合は
「つながり」を見落としていることが原因です。

初心者の頃は、
目なら目、鼻なら鼻というように、
一つひとつのパーツを別々に描こうとしがちです。

しかし実際の顔は、
目だけ、鼻だけで存在しているわけではありません。

眉間は鼻へ続き、
鼻は頬へ続き、
頬は口元へ続き、
耳は顎や首へ続いています。

実は江戸時代の浮世絵師・歌川国芳も、
「部分が集まって全体を作る」という発想を作品に取り入れていました。

歌川国芳の寄せ絵 人物が集まって一つの顔を形作る浮世絵作品
江戸時代の浮世絵師・歌川国芳は、人の体を組み合わせて一つの顔を表現しました。人物画でも、部分ではなく全体のつながりを見ることが大切です。(作品名:みかけハこハゐがとんだいゝ人だ/部分図)

人物画を描く上で大切なのは、
パーツの描き方を覚えることも大切ですが、

それ以上に、
パーツ同士のつながりを観察することが重要です。

ここでは、顔を「部分」ではなく
「流れ」として見る練習をしてみましょう。

眉間から鼻へ|顔の中心を流れる一本の道

初心者の絵を見ると、

「眉毛を描く」

「目を描く」

「鼻を描く」

というように、パーツに集中して描く傾向があります。

一つ一つを一生懸命描いていて素晴らしいのですが、
何かがもの足りない感じになっていることがあります。

それはなぜか。
眉間から鼻筋までのつながりを見落としているからだと言えます。

特に横顔や斜め顔では、
この流れを捉えられるかどうかで立体感が大きく変わります。

鏡を見ながら、自分の眉間を指でなぞり、
そのまま鼻先までゆっくり触れてみてください。

そこには急な段差はなく、
なだらかな起伏が続いているはずです。

人物画では、この「面の流れ」を描く意識が大切です。

人物画の描き方で重要な眉間から鼻筋、鼻先へ続く顔の面の流れを示した図
眉間から鼻筋、鼻先までは別々の形ではなく、一続きの面としてつながっています。
人物画における眉間Y字ゾーンの影の入れ方を比較した図
眉間から鼻筋へ続くY字ゾーンは、顔立ちによって影の入り方が異なります。

頬から鼻、口へ|柔らかな面の変化を見る

鼻だけを描いているつもりでも、

実際には頬との境界や口元との関係によって印象が決まっています。

例えば小鼻。

初心者は輪郭線で描きたくなりますが、
本当は頬から少しずつ盛り上がって現れてきます。

つまり、頬に影を入れながら小鼻を浮き上がらせるのです。

人物画における頬から小鼻、人中、上唇へ続く面の流れを解説した図
頬から小鼻、人中、上唇は別々の形ではなく、面が連続しながら自然につながっています。

また、人中から上唇にかけての部分も重要です。

口は単独で存在しているのではなく、
鼻の下から続く面の一部として存在しています。

人物画における鼻から人中、唇、顎へ続く面の流れを解説した図
鼻から人中、唇、顎までは別々のパーツではなく、一続きの面として自然につながっています。

人物が似ないと感じるときは、
目や鼻を描き直す前に、
頬から口元までの流れを見直してみましょう。

意外なほど印象が変わります。

耳から顎、首へ|顔の外側の流れを見る

人物らしさを作る上で重要なのが、顔の外側のラインです。

耳は単なる飾りではありません。

耳の位置が決まることで、
顎の角度や首の向きが見えてきます。

また、横顔では、

耳→顎→首

という流れを観察すると、
人物の骨格が理解しやすくなります。

耳から後頭部へ続くラインも重要です。

顔だけではなく、
頭全体の形を意識することで、
人物らしい立体感が生まれます。

人物画における耳から顎と首へ続く顔の外側の流れを解説した図
人物画では、耳から顎、首へ続く外側の流れを観察することで、横顔の立体感や人物らしさを表現しやすくなります。

正面からは、鏡を見ながら、

耳の下から顎へ、
顎から首へ、

どのように線が流れているかを観察してみてください。

人物画における耳から顎と首へ続く顔の外側の流れを正面から解説した図
人物画では、耳から顎、首へ続く面の流れを意識することで、輪郭線だけに頼らない自然な立体感を表現できます。

顔の輪郭は一本の線ではなく、
いくつもの面が連続してできています。

その流れが見えてくると、

人物画は急に立体的になります。

顔は「目・鼻・口・耳」という
部品の集まりではありません。

面と面が連続してつながることで、
一つの立体として成り立っています。

顔が似ない本当の理由|観察する目を鍛えよう

人物画の観察力を学ぶためのミケランジェロとレオナルドの頭部習作
ミケランジェロとレオナルド・ダ・ヴィンチは、人物を描く前に徹底した観察と研究を行いました。人物画上達の第一歩は、描く技術よりも「見る力」を育てることです。

顔の地図を覚え、
パーツ同士のつながりも理解した。

それなのに、「まだ顔が似ない」

はてさて、なぜなのでしょう?

実は、「見方」に原因があります。

実は、ここに人物画上達の大きなヒントがあります。

人間の脳は、
目の前にある形をそのまま見ているつもりでも、

実際には
「目」「鼻」「口」といった記号として認識してしまうのです。

レオナルド・ダ・ヴィンチは
全体の雰囲気を捉えることを重視し、

ミケランジェロは
骨や筋肉の構造を徹底的に理解しました。

巨匠たちは「見えているもの」を
そのまま描いていたのではなく、

正しく観察する方法を身につけていたのです。

「まだ顔が似ない」という人のために、
ここでは、初心者でも取り組みやすい

「特別の観察トレーニング」を紹介します。

逆さま模写|脳の「記号化」を止める

人物画の観察力を鍛える逆さま模写の練習方法を解説した図
逆さま模写は、人物画で起こりやすい「目・鼻・口の記号化」を防ぎ、正確な観察力を養う練習法です。

人間の脳は、顔を見ると

「これは目だ」「これは鼻だ」

と勝手に判断します。

その結果、

本当に見えている形ではなく、
脳の中にある「目のマーク」を描いてしまうのです。

そこで有効なのが逆さま模写です。

写真や線画を上下逆にして模写すると、
脳はそれを顔として認識できなくなります。

すると、
線の長さや角度を正確に観察できるようになってきます。

ネガスペース|背景や隙間の形を描いてみよう

そこでおすすめなのが、

「人物ではなく背景・隙間を見る」

練習です。

私たちは普段、

「目」「鼻」「口」

という名前のあるパーツばかり見ています。

しかし、
あえて名前のない隙間の形に注目すると、
脳は記号で判断できなくなり、
見たままの角度や長さを観察し始めます。

ここでは、絵の具を使った練習を紹介しますが、
鉛筆でしっかりと塗って練習しても構いません。

人物画の観察力を鍛えるために横顔のネガスペースを青色で着色して学ぶ練習図
ネガスペースとは人物の周囲にある空間のことです。横顔の外側に見える形を観察することで、人物画の輪郭や比率を正確に捉える力が身につきます。

例えば、上の図のように、
横顔のおでこ~鼻先~唇までの背景。

これも立派なネガスペースです。

人物以外の背景空間に目を集中し、
外側を塗って人物を浮き上がらせる練習をしてみましょう。

透明水彩 ネガスペース 練習 前髪の隙間から見える額の形の観察方法
髪の毛そのものではなく、前髪の隙間から見える額の形を観察することで、ネガスペースを見る力が自然に身についていきます。

前髪の後ろに隠れたおでこも、
名前のない形として観察できます。

透明水彩 ネガスペース 練習 小鼻の横にできる三角形の形を観察する方法
人物画では鼻を描くよりも、小鼻の横にできる三角形のネガスペースを観察する方が、形の狂いに気づきやすくなります。

小鼻と口元、頬の間にも、
小さな三角形の空間が存在しています。

実際の人物画では、
こうした「顔そのもの」ではなく

「顔の周囲にできる形」を観察することで、

驚くほど正確に形を捉えられるようになります。

不思議なことに、
隙間の形を正しく描けるようになると、
顔全体のバランスも自然と整っていきます。

まずは鏡の前で、
前髪と額の間にできる隙間や、
横顔の輪郭の外側に見える空間の形を探してみましょう。

それだけでも、
観察する目は大きく変わります。

明暗のパズル|顔を線ではなく面で見る

人物画 線で顔を認識する脳の働きと光と影による立体表現
私たちは、顔のパーツとパーツの境目や明暗の境目を線として書こうとしがちです。実際は面のつながりが作り出す明暗で立体感を認識しています。

どうしても人物画が不慣れなうちは、
顔を輪郭線で捉えようとします。

しかし実際の顔には、線は存在しません。

私たちが見ているのは、光と影だからです。

写真をよく見ると、
鼻の輪郭も実際には線ではなく、
明るい面と暗い面のぼやけた境界として見えています。

私たちの脳が、
その境界を「線」として認識しているだけなのです。

そこで、
線を描くのをやめて、
明るい部分と暗い部分だけを塗り分ける練習をしてみましょう。

顔は複雑なパーツの集まりではなく、
光が当たる面と影になる面の組み合わせでできています。

この練習を続けると、
顔の立体感が自然に理解できるようになります。

人物の明暗を理解するための顔の陰影図
顔は線ではなく、光と影の面の組み合わせでできています。

【このセクションのキーワード】

「脳の記号化を止めて、形を見る」
②「背景・隙間のネガスペースを見る」
③「光と影の明暗のパズルを見る」

レオナルド・ダ・ヴィンチもまた、
目の前のものを注意深く観察することを何より大切にしていました。

この3つの観察法は、
人物を見る「観察力」を育てるための
良いトレーニングになりますので、
ぜひ試してみてください。

正面の顔を描く|ゴールデンプロポーション

このセクションでは、
「大きな卵形」から始めて、
比率(ゴールデンプロポーション)に合わせてアタリの線を分割していき、
美しいバランスで描き進めます。

紙とペンを用意して、以下のステップ順に描き進めてみてください。

初心者必見!正面の「顔」を描く手順

人物画初心者向け 正面の顔を描く10ステップの手順図
顔の輪郭から始めて、正中線・目・鼻・口・耳・眉・髪の毛へと順番に描き進めることで、バランスの良い正面顔を描きやすくなります。

顔の輪郭から始めて、
正中線・目・鼻・口・耳・眉・髪の毛へと順番に描き進めることで、
バランスの良い正面顔を描きやすくなります。

Step 1:顔の輪郭(卵形)を描く

まず、画面の中心に綺麗な卵形(上ふっくら、下すぼまり)を1つ描きます。

  • これが頭の最上部(頭頂)からあご先までのベースになります。

Step 2:中心線(十字)を引く

卵形を正確に縦半分、横半分にする十字の線を引きます。

  • 縦の中心線:鼻や口のセンターラインになります。
  • 横の中心線:この線が「目の位置」になります(※髪の毛のボリュームを除いた、頭頂からあご先までのちょうど真ん中が目の高さです)。

Step 3:縦の比率を3等分する(生え際・眉・鼻)

卵形の上部(頭頂から少し下がった「髪の生え際」)から「あご先」までの距離を、等間隔で3等分する線を引きます。

  • 上から1つ目の線:「眉」の位置。
  • 上から2つ目の線:「鼻の下」の位置。
  • これで「生え際~眉」「眉~鼻下」「鼻下~あご先」を「1:1:1」にします。

Step 4:目を5等分の幅で描く

Step 2で引いた「横の中心線」の上に目を描きます。卵形の横幅を綺麗に5等分します。

Step 5:両端の1マスを空け、2マス目と4マス目に目を描きます。

  • これで「目の横幅」と「目と目の間」が「1:1」になります。
  • 「目」は縦横比を「1:3」に近づけます。
  • 薄く「眉毛」のあたりをつけておきます。

Step 6:鼻を描く

Step 3で決めた「鼻の下」の線の上に小鼻(鼻の横幅)を描きます。

  • 左右の目頭から、真下にまっすぐ下ろした線の幅に収まるように鼻を描きます。

Step 7:口を描く

「鼻の下」から「あご先」のスペースを、さらに上から1:2に分ける位置に唇の真ん中の線を引きます。

  • 口の横幅は、左右の黒目の内側から、真下に下ろした線の幅に合わせます。

Step 8:耳を描く

  • 「眉の高さ」から「鼻の下の高さ」の間に収まるように、輪郭の外側に描きます。

Step 9:眉を描く

  • Step 4で描いた目の上の位置に「眉」を描きます。
  • 眉頭は「口角と目頭を結んだ延長線上」から描き始めます。
  • 眉尻は「小鼻の外側と目尻を結んだ延長線上」まで伸ばします。

Step 10:髪の毛を描く

  • 生え際の線から上に、髪の毛のボリューム(厚み)を少し足します。
  • あたりの補助線を消し、正面のゴールデンプロポーション顔を完成させます。

初心者必見!正面の「目」を描く手順

人物画初心者向け 正面の目を描く5ステップの手順図
目は感覚ではなく比率で描くと安定します。白目と黒目の比率、まぶたのカーブ、目頭と目尻の高さを順番に理解することで、自然な目元を描きやすくなります。

Step 1:目の基本枠は「縦 1 : 横 3」

  • 目を描く場所に「縦の長さが1、横の長さが3」の横長の長方形を描きます(例:縦1cmなら、横3cm)。

Step 2:白目と黒目の比率は「1 : 2 : 1」

長方形を横に「1:2:1」の割合で3つのエリアに分割します。

  • 目頭側の白目:1
  • 中央の黒目(虹彩):2
  • 目尻側の白目:1
  • 黒目は真ん丸のまま描くと驚いた目になるため、
    上側が1~2割ほど上まぶたに隠れるように配置するのが黄金比です。

Step 3:まぶたのカーブ(最高点の比率)

目の輪郭(まぶたの曲線)を描くときは、
山の頂点をずらすとリアルになります。

  • 上まぶた:目頭から数えて「1:2」(全体の1/3)進んだ、黒目の外側の端の上あたりが最も高くなるように緩やかな山を描きます。
  • 下まぶた:逆に目尻側から数えて「1:2」(全体の1/3)進んだ、黒目の内側の端の下あたりが最も低くなるように、なだらかな谷を描きます。

Step 4:目頭と目尻の高さの比率

  • 目頭と目尻の高さは「ほぼ水平」が基準です。
  • 少しだけ大人っぽく、またはクールに見せたい場合は、目尻を「白目の縦幅の1/4~1/3」ほど上に引き上げる(わずかにつり目にする)と、現代的で魅力的な目元になります。

Step 5:さらに美しく見せる「涙袋」の比率

目の下に「涙袋」を描く場合は、
目の縦幅(1)に対して、
涙袋の縦幅が「0.5~0.7」に収まるように細い影を入れます。

これを超えると不自然に大きく見えてしまうので注意してください。

よくある質問(FAQ)|人物の顔の描き方Q&A

顔がどうしても似ません。何から見直せばいいですか?

人物画に取り組むほとんどの人がぶつかる壁ですね。
目や鼻の形を描き直す前に、顔全体の比率を確認してみましょう。
特に、

  • 正中線
  • 目の高さ
  • 鼻と口の位置

が崩れていると、細部をどれだけ描き込んでも似て見えません。

まずは顔の地図を整えることを意識してみてください。
顔が似ない場合は、まず「顔の地図」を確認してみましょう。

💁🏻‍♀️ 正中線や目・鼻・口の位置関係については、【顔の描き方、基本のキ】で詳しく解説しています。

横顔が苦手です。いつも違和感が出てしまいます。

私も悩んだ「2つの壁」が原因かもしれません。

1つ目は目の形です。
慣れないうちは、正面から見たような目の形になってしまいます。
横顔の目は、正面の目よりも横幅が狭く見えます。
まずは三角形に近い形として捉えると描きやすくなります。

2つ目は顔ばかり見て頭全体を見落としてしまうことです。
特に後頭部を小さく描いてしまうと、実際よりも不自然な印象になります。
目・鼻・口だけでなく、頭蓋骨全体の形を意識して観察してみましょう。

💁🏻‍♀️ 横顔の比率や後頭部の考え方については
【横顔の比率|見落とされる頭蓋骨の大きさ】で詳しく解説しています。

右を向いた「顔の左側面」は描けるのに、左を向いた「顔の右側面」が描けません。

右利きの人によくある悩みです。

私も右利きなので、難しい気持ちがよくわかります。
特に、鼻と唇と顎の起伏が難しいですね。

人は、無意識に描き慣れた向きを持っています。
得意な向きばかり描いていると、
反対向きになった途端に、形が崩れてしまうことがあります。

苦手な向きの写真使って模写したり、
鏡を使って自分の顔を反対向きに観察して練習すると、
苦手な向きも描き慣れてきます。

まずは完成度を求めず、数をこなすことが近道です。

顔が平面的になってしまいます。立体感を出すコツはありますか?

はい、あります。
輪郭線だけで顔を表現しようとすると、
どうしても平面的に見えやすくなります。
まずは、

  • おでこの側面
  • 鼻の側面
  • 上唇
  • 顎の下

などの影を観察してみましょう。

顔は線ではなく、光と影の面でできています。

💁🏻‍♀️ 顔を立体的に見せる明暗の考え方については、
【明暗のパズル|顔を線ではなく面で見る】をご覧ください。

写真を見ながら描いているのに上手く描けません。

私たちの脳は、写真を見ていても「目」「鼻」「口」という記号として認識してしまいます。
そんな時は、

  • 逆さま模写
  • ネガスペース観察
  • 明暗だけを見る練習

を試してみましょう。

「描く力」よりも「観察する力」が鍛えられ、形を正確に捉えやすくなります。

写真を見ているのに描けない場合は、観察トレーニングを試してみてください。

💁🏻‍♀️ 逆さま模写・ネガスペース・明暗観察については、
【顔が似ない本当の理由|観察する目を鍛えよう】で詳しく紹介しています。

また、線描ではなく、ぼかして描いてみると写真らしい明暗が出ます。

写真を見て「そっくりに描きたいな」と思う場合は、
「トレースして描く」という裏技もあります。

写真と画用紙の間にトレーシングペーパーを挟んで、
写真の上から明暗の境となる輪郭線を薄く擦っていきます。

画用紙にその線が写るので、
それを元にしながら明暗をつけていく練習をすれば上達できると思います。

ただし、トレースは、
形を理解する練習としては役立ちますが、
それだけに、頼ると観察力が育ちにくくなることがあります。

まとめ|顔は「パーツ」ではなく「つながり」で見る

私たちは、人物の顔を描くとき、
目や鼻、口といったパーツの描き方ばかりに意識が向きがちです。

しかし実際には、

顔の向きを決める正中線、
目・鼻・口の位置関係、
そして眉間から鼻、頬から口元へと続く面の流れを理解することで、
顔はぐっと描きやすくなります。

また、逆さま模写やネガスペース、
明暗のパズルといった観察トレーニングは、
「見たつもり」を「本当に見る力」へ変えてくれます。

まずは鏡の中の自分や身近な家族の顔を観察しながら、
一枚のスケッチを描いてみてください。

描くたびに新しい発見があり、
観察する楽しさが少しずつ深まっていきます。

描くうちに、
モデルの内から溢れるエネルギーが
きっと皆さんの絵に現れてくると思います。

人物画の上達は、観察する楽しさから始まります。

あわせて読みたい

人物画は顔だけでなく、
手や全身の観察にも共通する考え方があります。
興味のある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

ピ太郎
このホームページでは、水彩画を中心に、絵に興味のある人の疑問(材料や道具の選び方や使い方、水彩画の技法など)に答える内容を紹介しますぴー。
ぜひ別の記事でも楽しく学んでいただければと思いますぴー。

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