
こんにちは。画家のマキノ ロランです。
私は、透明水彩初心者の方の悩みに寄り添いながら、
水彩画の楽しさを伝える活動をしています。
今回は、
透明水彩で葉の緑を作るときに役立つ
「黄色+青の混色」を、
9種類のカラーチャートとともに分かりやすく解説します。
透明水彩で葉の緑を作ろうとすると、
混色が濁ってしまうことはありませんか?
私自身も長いあいだ、
「何と何を混ぜたらいいのかなぁ…」
と悩み続けてきました。
実は葉の緑は、
絵の具を1色選ぶだけでは決まりません。
黄色と青の組み合わせ、
水の量、
紙の白さ。
そのバランスによって、
同じ絵の具でもまったく違う緑が生まれます。
透明水彩で葉の緑を作るときは、
既製の緑色の絵の具を使う方法だけでなく、
黄色と青を混ぜて作る方法もあります。
実はこの「黄色+青の混色」を理解すると、
若葉、夏の葉、深い森の緑まで
自由に作れるようになります。
この記事では、
透明水彩で葉の色を作るために
「2色だけを使った混色カラーチャート」
を実際に作りながら、
葉の色を判断する考え方を整理していきます。
葉の緑は、
ほんの少し色の考え方を工夫するだけで、
ぐっと描きやすくなりますよ。
【この記事で学べること】
・透明水彩で葉の緑を見る 3つの考え方
・2色混色で作る 緑のカラーチャートの作り方
・若葉の 明るい緑 の作り方
・夏の 標準的な葉の緑 の作り方
・深い森の 濃い緑 の作り方
・落ち着いた 自然な緑 の作り方
透明水彩で葉っぱの緑を作る方法はたくさんありますが、
初心者には2色混色のカラーチャート作りが
一番理解しやすい方法です。
[内容色]・クリムソンレーキ・ローズマダー・バーミリオンヒュー・ジョーンブリヤンNO.2・パーマネントイエローレモン・パーマネントイエローディープ・イエローグレー・ビリジャンヒュー・コバルトグリーン・テールベルト・パーマネントグリーンNo1・パーマネントグリーンNo2・コバルトブルーヒュー・セルリアンブルー・ウルトラマリンディープ・コンポーズブルー・プルシャンブルー・ミネラルバイオレット・イエローオーカー・ライトレッド・バーントアンバー・バーントシェンナ・アイボリブラック・チャイニーズホワイト
Contents
透明水彩で葉の緑を作る前に知るべき「色の見方」

葉の色を絵の具で塗ろうとするとき、
チューブ絵の具や固形絵の具を見ながら、
「どんな緑を使おうかな」と考えませんか?
しかし、色選びの前にちょっと待ってください。
葉の色を判断するために見るべきは、
絵の具の「色名」ではなく、見る順番なのです。


まず最初に気づいて欲しいのは、
葉は、明るい感じかな? 暗い感じかな?
それから、黄色っぽいかな? 青っぽいかな?
そんな「〜の感じ」を見つけることなんだよ。
それが分かれば、パレットのどの絵の具に手を伸ばせばいいか、自然と見えてくるんだ。
緑にもいろいろな状態があります。
葉の緑には3つの秘密が隠されています。
この秘密を解き明かしながら、
混色による緑の作り方を一緒に考えていきましょう。
葉の「緑」を「白黒思考」で解き明かす

葉の絵を絵の具で塗る時、
水彩初心者の多くは、
最初にチューブの緑をそのまま使います。
でも、それは決して間違いではありません。
ただ、そこから一歩踏み出して
『本物らしさ』を描きたいと思った時、
必要になるのがこの思考法なのです。
実際の葉をよく観察すると、
様々な緑の情報が、
同時に存在していることに気づきます。
光を受けて明るく見える所があります。
影になって暗く沈んで見える所もあります。
場所によっても、枚数によっても、
色の印象は常に変化しています。
つまり、
葉の色=1色の緑
と考えて色を塗ると、
実物との差を強く感じてしまうのです。
🥳 では、ここで問題です。
次の3枚の葉は何が違っているか分かりますか?

ヒントは目を細めて見ると気づけることです。少しずつ色が消えていくと…
答えは、明るさが違うということです。
「なんだ、そんなことか」
と思われたのではないでしょうか。
葉の「緑の作り方」、第一の秘密。
それは、
1番明るいところ(光の部分)はどこか
中間の明るさ(標準部分)のところはどこか
1番暗いところ(影の部分)はどこか
これを見破ることなのです。
この明るさのことを「明度」と言います。
明度が高い(明るい)、低い(暗い)という使い方をします。
まず最初に色ではなく光の加減を見る。
私はこれを「白黒思考」と名付けています。
葉の「緑」を「色味の違い」で解き明かす
今回はちょっと難しい質問です。
🥳下の3枚の葉は何が違っているか分かりますか?
ヒントは「色味」です。
使った色は、
パーマネントイエローレモン、
ビリジャンヒュー、
プルシャンブルーの3色です。

ヒントは、3色の組み合わせです。
透明水彩で「緑」を作るアプローチは、
大きく分けて以下の3つのルートがあります。
- 緑系 + 黄色系(鮮やかさを調整する)
- 青系 + 黄色系(ゼロから緑を生み出す)
- 緑系 + 青系(深みや影を作る)
明るさ(明度)を確認できたら、
次は、「黄色味寄りか、青寄りか」
という色相(色味)を考えます。
一般的に、
黄色によるほど明るく(春の光)、
青によるほど暗く(深い影)感じる性質があります。
この色味を「色相」と言います。
これが第二の秘密です。
葉の「緑」を「にごりの有無」で解き明かす

そして最後に第三の秘密「にごり」を見ます。
鮮やかな色は、
・澄んでいる
・色が冴えている
・艶やかな感じがする
と言う印象があります。
くすんだ「にごり」のある色は、
・渋い感じがする
・地味で落ち着いた感じがする
・色あせてくすんだ感じがする
と言う印象があります。
「にごり」と聞くと悪いことのように思えますが、
実は自然な葉を描くための「隠し味」です。
緑の反対の色(補色)である
赤や茶色をほんの少し加えることで、
色の鮮やかさを抑え、
深みのある「渋い緑」を作ります。
にごりは、「彩度」の差で表します。
鮮やかな色を彩度が高い、
にごりのある色を彩度が低いと言います。
これが第三の秘密です。
2. 色相:黄色寄りか、青寄りかを見分ける
3. 彩度:赤味を足して、自然な「にごり」を加える
混色の基本については、こちらの記事も参考になります。
▶︎ 透明水彩で肌色を作る方法|白を使わず透明感を出す混色と重ね方
透明水彩|緑系絵の具で葉の緑を作る方法

左:ビジジャンヒュー 中央:パーマネントグリーンNo.1 右:No.2
ホルベイン24色セットの中でも、
ビリジャンヒューは自由自在な色を作る「混色の核」。
パーマネントグリーンNo.1・2は
そのまま塗っても自然に見えるようあらかじめ調合された
「表現の時短」として非常に優秀です。
これらに他の色を「1色だけ」足せば
どんな効果を生み出すか、
実戦的な緑のバリエーションを見てみましょう。
葉の緑の作り方|ビリジャンヒューとの2色混色
ビリジャンヒューは単一顔料(PG7)です。
非常に色が強く澄んでいて、
混ぜても濁りにくいのが特徴です。
混色後、色味の変化を幅広く楽しめます。
1 加える色:イエローオーカー(W034)


2色混色だけで塗りました。
2色混色だけ存在感を発揮できるこの混色は実に頼もしいです。
応用できる場面:
・里山の葉色
・田んぼの畔など
混色後の特徴:
・ビリジャンの鋭さが消える。温かみが出る。
・自然界に馴染む「落ち着いた明るい緑」に変貌。
・風景画絶対王者の「万能な緑」で大活躍。
2 加える色:クリムソンレーキ(W010)


2色混色だけで塗りました。
ビリジャンヒューとクリムソンレーキの比率を変えると、色味の変化が楽しめます。
比率によって、
深い緑から漆黒に近いニュートラル1な暗色まで作れます。
影として使うなら緑を残し、
引き締めたい場所には赤を足して
黒に近づけるのがコツです。
応用できる場面:
・暗い森
・様々な葉っぱの影
・木の幹の深い影
混色後の特徴:
・黒を加えたような暗く沈んだ緑になる。
・透明感を保った影になる。
3 加える色:チャーニーズホワイト(W002)


チャイニーズホワイトは透き通る半透明の力でビリジャンヒューを爽やかなパステル調に変身させます。
チャイニーズホワイトの穏やかな隠ぺい力で、
強いビリジャン ヒューを優しくマイルドなパステル調に変身させます。
応用できる場面:
・ユーカリや果肉植物の葉
・光で白っぽく見える葉の部分
混色後の特徴:
・不透明なパステル調(ミントグリーン、淡いエメラルドグリーン)になる。
・葉っぱ以外では、晴れた日の海面など。
葉の緑の作り方|パーマネントグリーンNo.1との2色混色
パーマネントグリーン No.1 (W066)は、
3つの顔料が混合された鮮やかで明るい黄緑色です。
PY53 (ニッケルチタンイエロー):不透明寄りの落ち着いた黄色
PG7 (フタログリーン):強力な着色力を持つ青み寄りの緑色
すでに3つの顔料が絶妙に混ざっているこの色に、
さらに「プラス1色」することで、
「光・影・空気感」を劇的に変化させることができます。
| 混色する色 | 混色後に見せる表情 | 応用場面 | 近い日本色 |
| バーミリオンヒュー(W019) | 暖かいオリーブ系 暗い緑がかった茶色 | 風景に馴染んだ樹木や草地の自然な影 | 萌黄色 |
| コンポーズブルー(W096) | 清潔感のある爽やかなミントグリーン | シルバーリーフ 多様な葉 | 深緑 青竹色 |
| ジョーンブリヤン No.2(W032) | 穏やかで温かいパステル調の黄緑 | 柔らかい黄緑の植物 | 若草色 |
1 加える色:バーミリオンヒュー(W019)


根元は「グリーン多め」、穂先や枯れた葉先は「バーミリオン多め」に。
補色同士を混ぜることで生まれる「自然な渋み」が、風景に馴染むリアルな表情を作ります。
応用できる場面:
・グリーン多め…夏の終わりの深い葉の色、少し枯れ始めた葉
・バーミリオン多め…秋の紅葉した葉や、西日に照らされた枯れ草
混色後の特徴:
・鮮やかな黄緑が少しくすみ、暖かいオリーブ系に変化します。
・暗い緑がかった茶色は、風景に馴染んだ樹木や草地の自然な影を描けます。
2 加える色:コンポーズブルー(W096)


混色で葉の表面をマットに塗ります。透明水彩では出しにくい「白みがかった青緑」の美しさが際立ちます。
どちらの色にも不透明な成分(PY53や白)が含まれているため、
「不透明で発色が良く、マットな質感の青緑色」を作れるのが特徴です。
応用できる場面:
・表面が白っぽく青みがかったシルバーリーフ(シロタエギクやオキザリスなど)や多肉植物
・緑多めで多様な葉
・水で薄めて、霞んだ遠景の木々や山々
混色後の特徴:
・青みが加わり、清潔感のある爽やかなミントグリーンになります。
・不透明な成分の影響で、マットな質感が出てきます。
3 加える色:ジョーンブリヤン No.2(W032)


柔らかな日差しを受けているような明るさを表現できます。
応用できる場面:
・日光が当たり黄色く光っている場所
・ライムポトスのような柔らかい黄緑の植物
混色後の特徴:
・非常に隠ぺい力が高く、穏やかで温かいパステル調の緑になります。
・ジョーンブリヤンに含まれる「土の色」が、鮮やかすぎる緑を自然界の色に馴染ませてくれます。
葉の緑の作り方|パーマネントグリーンNo.2との2色混色
パーマネントグリーン No.2 は、
No.1よりも黄色に深みがあり、
落ち着いたトーンの標準的な緑色です。
そのままの状態で「自然界の草の色」に近いため、
単色でスケッチに使用する機会も多い色です。
以下の3つの顔料がバランスよく配合されています。
PY53 (ニッケルチタンイエロー):No.1と同じ、不透明で穏やかな黄色
PG7 (フタログリーン):No.1と同じ、着色力の強い鮮やかな緑色
ミネラルバイオレット:重厚で粒状感のある「葉の重なり」
バーントシェンナ:温かく親しみやすい「大地の緑」
これら3色を使い、
影の温度感(冷たい・無彩色・温かい)で表情を変える、
実践的な葉の描き分けに迫ります。
| 混色する色 | 混色後に見せる表情 | 応用場面 | 近い日本色 |
| プルシャンブルー(W091) | 暗く塗り重ねても美しい透明度 | 針葉樹や常緑樹 | 深緑 |
| ミネラルバイオレット (W112) | 深みのある 薄黒い色 | 光が当たらない葉の影 うっそうとした茂み | 深緑 |
| バーント シェンナ (W134) | 落ち着いた馴染みの良い緑 | オリーブ 常緑樹 茶色味の草地 | 常磐色 |
1 加える色:プルシャンブルー(W091)


プルシャンブルーを多めに混ぜることで、黒を使うよりも透明感があり、深い緑に奥行きを与えます。
プルシャンブルーは非常に着色力が強く、
深い海のような紺色です。
パーマネントグリーン No.2と混ぜることで、
影の中に青みを感じる、重厚でクールな深い緑が生まれます。
応用できる場面:
・深い森の奥や茂みの陰など、光が届かない場所の冷たく暗い緑。
・針葉樹や常緑樹(スギ、ヒノキ、マツなど)、青みがかった硬い葉の表現。
・水面に映る木々の影。水の色(青)と混ざり合ったような、深い反射の色。
混色後の特徴:
・暗く塗り重ねても美しい透明度が保たれます。
・プルシャンブルーは非常に色が強いため、少しずつ混ぜて「緑らしさ」を失わないように調整します。
2 加える色:ミネラルバイオレット(W112)


葉と葉が重なり合う暗い部分に、バイオレットを強めに混ぜた色を置きます。
渋い影色で、にじませると粒状化がおきます。
ミネラルバイオレットは、
マンガンバイオレットを主成分とし
粒状化(グラニュレーション)が起こりやすい色です。
グリーンと混ぜることで、
植物の重なり合う奥に潜む、最も暗い影を表現できます。
応用できる場面:・暗い場所の直接光が当たらない場所にある葉の影。
・鬱蒼(うっそう)とした茂み
・粒状化を活かし、古くなった葉や、ざらついた樹皮の陰影。
混色後の特徴:・薄黒い色は、美しい深みを感じさせます。
・明るいグリーンとのコントラストが強いため、一箇所置くだけで手前の葉が浮き上がります。
・ミネラルバイオレット特有の粒子が少し浮き出て、面白い表情を見せます。
3 加える色:バーントシェンナ(W134)


赤みを含み彩度が低く、落ち着いた緑が目に優しく映ります。
バーントシェンナは酸化鉄を主成分とし、
温かみのある茶色です。
パーマネントグリーンNo.2と混ぜることで、
熟した葉や、西日に照らされた秋の入り口のようなオリーブ色が生まれます。
応用できる場面:
・オリーブの葉や常緑樹
・夏の終わりから秋にかけて、少し黄色や茶色が混じり始めた草地
・少し茶色みがかった葉
混色後の特徴:
・鮮やかさが消え、日本の風景に溶け込むような「馴染みの良い緑」になります。
・シェンナの量を加減するだけで、風景画に必要な緑の大部分をカバーできます。
透明水彩で葉の緑を作る方法|黄色+青の混色カラーチャート
ここでは、
黄色系と、青系を掛け合わせて作る、「ゼロから作る緑」を実践してみます。
カラーチャート作りには、
新しい発見がたくさんあります。
取り組む価値は大いにあります。
明るくきれいな緑と、自然に見える緑は少し違う。
混色してから塗る緑はきれいなのに、
黄色と青を紙の上でにじませると、思ったより濁る。
これは絵の具の粒子や水の動きによって、
色が均一に混ざらないためなんですね。
実際に取り組んでみないとわからない現象。
これが絵の具たちとの楽しい会話なのです。
既存の緑色絵具を使わず、
2色を混ぜて作る緑は、
風景に深みと統一感を与えます。
まずは、
ベースとなる3つの青色の特徴を理解しておきましょう。
コバルトブルー ヒュー (W090)
澄んだ軽やかな青。
黄色と混ぜると、透明感のある爽やかな緑になります。
・春の新緑
・逆光で透ける葉
・若葉の表現
ウルトラマリン ディープ (W094)
わずかに赤みを含んだ、深く落ち着いた群青色。
この青と混ぜると、
・落ち着いた深みのあるトーン
・自然な陰影を感じる成葉
・粒状化による「葉のざらつき」や「茂みの厚み」を表現しやすくなります。派手すぎない、本格的な風景画向きの緑が作れます。
プルシャンブルー (W091)
非常に色が濃く、透明度が高い「緑寄りの青」。
青自体の着色力が強いため、
1色で幅広くコントロールできるのが最大の特徴です。
・鮮やかな明るい緑から、吸い込まれるような深い森の緑まで
・中間の葉、奥まった影の葉
緑の混色組み合わせ早見表
| 黄色 | 青 | 作れる緑の特徴 | 向いている場面 |
| パーマネントイエローレモン | コバルトブルーヒュー | 緑みの透明感のあるきれいな黄緑 | 若葉 春の新緑 逆光で透ける葉 |
| パーマネントイエローレモン | ウルトラマリンディープ | 少し落ち着いた粒状感の黄緑 ザラザラの深緑 | 光に透ける葉 洋ランの葉・茎 苔 |
| パーマネントイエローレモン | プルシャンブルー | 明るく冴えた黄緑 透き通った緑青 | 芽吹いたばかりの草木(萌黄色) 夏の成葉 クヌギ 遠景の針葉樹 |
| パーマネントイエローディープ | コバルトブルーヒュー | 落ち着いた雰囲気の緑みの黄褐色 | 秋の草木 草原 |
| パーマネントイエローディープ | ウルトラマリンディープ | 渋く落ち着いた黄緑 暗い黄緑色 | 紅葉したイチョウ 枯れかけた葉 |
| パーマネントイエローディープ | プルシャンブルー | 深く濃い緑 | 針葉樹 ツバキ |
| イエローオーカー | コバルトブルーヒュー | 乾いた草の緑 くすんだ黄緑色 灰味の暗い緑青 | 野原の枯れ草や影色 苔 シャリンバイ |
| イエローオーカー | ウルトラマリンディープ | くすんだ遠景の灰色 渋みとくすみのある黄緑褐色 | 山 苔 笹の葉 |
| イエローオーカー | プルシャンブルー | オリーブ系の緑 黄みを含む落ち着いた深緑色(モスグリーン) | 遠景の森 老木の苔 草むらの影 |
向いている場面は、私見です。
皆さんも練習を重ねて色々発見していってください。

オーカーを合わせればより渋く。
黄色と青の組み合わせで無限に広がる、
『自作の緑』のバリエーションを体験してみましょう。
葉の緑の作り方|パーマネントイエローレモンとの2色混色

パーマネントイエローレモンは、
「冷たい黄」の印象があります。
明るく、少し青みを含んだ鮮やかな黄緑~緑が作れます。
1 加える色:コバルトブルーヒュー(W090)


この2色の組み合わせにしか出せない、春特有の「キラキラとした透明感」が表現できます。
応用できる場面:
・春の新緑、若葉
・日差しを浴びたツツジの葉や、芝生の明るい部分
混色後の特徴:
・少し不透明感はあるものの、非常に明るく澄んだ緑になります。
2 加える色:ウルトラマリンディープ(W094)


ウルトラマリンの粒子が紙の凹凸に残ります。
夏の強い光の影葉。苔。洋ランの葉に試してみました。
艶のないひまわりの葉などに適した色ですね。
応用できる場面:
・夏のひまわりの葉
・乾いた緑、ざらついた葉
・苔
混色後の特徴:
・ウルトラマリンの粒状感(ザラつき)が出て、少し落ち着いた緑になります。
・夏の強い光の下にある、表面が少しザラついた葉に向いています。
・洋ランなどの艶がある葉には向かない。
3 加える色:プルシャンブルー(W091)


レモンの鮮やかさを保ちつつ、プルシャンの深みが加わることで「強い緑」になります。
応用できる場面:
・真夏の生い茂る木々
・遠景の針葉樹
混色後の特徴:
・非常に深く、かつ透明で強い緑になります。
・温かい黄緑から冷たい青緑と、応用の幅が広い色になります。
葉の緑の作り方|パーマネントイエローディープとの2色混色

パーマネントイエローディープは、温かい黄です。
少しオレンジ寄りの黄色なので、
落ち着いた自然な緑になります。
1 加える色:コバルトブルーヒュー(W090)


レモンイエローより渋みが増し、オリーブグリーンを薄めた感じにも見えます。
ケヤキにしては黄色味が強かったですね。
細かい葉の表現よりは草原の色を表現するのに適しているようです。
応用できる場面:
・穏やかな葉
・草原の色
混色後の特徴:
・レモンイエローよりも少し落ち着いた感じで、黄色味の強い黄緑になります。
2 加える色:ウルトラマリンディープ(W094)


少し色が沈みやすく、渋い黄緑になります。
枯れ葉や紅葉の影などに適する感じがします。
応用できる場面:
・黄色味の強い枯れ葉
・午後の西日が当たる木の影
混色後の特徴:
・少し色が沈みやすく、渋い黄緑になります。
3 加える色:プルシャンブルー(W091)


厚みがあって青みが強い、色の濃い葉の表現に向いています。
黄緑のマサキのような葉色に使えそうです。
応用できる場面:
・深い森・常緑樹(松など)
混色後の特徴:
・青みが強く、非常に深い緑になります。
・椿(ツバキ)のような、厚みがあって色が濃い葉っぱの表現に向いています。
葉の緑の作り方|イエローオーカーとの2色混色

イエローオーカーは
彩度の低い土の黄色で、
落ち着いた藁のような色になります。
1 加える色:コバルトブルーヒュー(W090)


冷たい感じの灰色緑や、少し乾燥した野原の草の色などが作れます。
応用できる場面:
・乾いた道端の草
・樹木の樹皮(灰色緑)
混色後の特徴:
・少し白っぽく濁った、カサカサした質感の黄緑です。
・青みが強いと、濃く暗めの灰色がかった緑色になります。
2 加える色:ウルトラマリンディープ(W094)


彩度が低く、命が絶えて土に還るような色味です。
応用できる場面:
・日が暮れ始めた遠くの山々
混色後の特徴:
・彩度が低く、土色になります。
・緑みは完全に姿を消します。
3 加える色:プルシャンブルー(W091)


熟しきった葉や、冬を前に色が落ち始めた表現に適した色です。
応用できる場面:
・秋口の熟した葉
・枯れ始め
・熟しきった柿の葉やヘタ など
混色後の特徴:
・「オリーブグリーン」に近い、渋く重厚な緑になります。
まとめ|葉の緑を作る3つの方法

葉の緑は、大きく分けて次の3つの方法で作れます。
① ビリジャンを軸にする
透明感のある自然な緑を幅広く作れる。
② パーマネントグリーンを使う
最短時間で安定した葉色を作れる。
③ 黄色+青で作る
風景全体の色調を統一できる。
透明水彩では、
葉の緑は、1色の絵の具で決まるものではありません。
もちろん、使いやすい絵の具では
サップグリーンがあります。
しかし、
黄色と青の混色の仕方、
水の量、
紙の白さ、
塗り重ねの方法と回数…、
これらを組み合わせ、
さまざまな緑を作り出す試みには価値があります。
皆さん、ぜひ
カラーチャート作りに取り組んで、
無限の変化を楽しんでください。
カラーチャート作りは、
自分の絵に合う緑を見つけるための
小さな実験です。
ぜひカラーチャートを作りながら、
透明水彩で自分だけの葉の緑を見つけてみてください🌿
関連記事:透明水彩で空を描く方法(次回の記事)
FAQ(よくある質問)
Q1 透明水彩で葉っぱの緑が濁るのはなぜですか?
A
透明水彩で葉の緑が濁る原因の多くは、
- 補色に近い色を混ぜている
- 水の量が少ない
- 乾く前に何度も触ってしまう
- 絵の具の粒状化などの性質を理解していない
といった点にあります。
初心者の場合は、
まず 黄色+青の2色混色だけで緑を作る練習をすると、
濁りにくい緑を作れるようになります。
カラーチャートを作ると、
どの組み合わせでどんな緑になるかが
一目で分かるようになります!
Q2 葉っぱの自然な緑を作るおすすめの絵の具は?
A
透明水彩で葉の緑を作る場合、
次の組み合わせがよく使われます。
- パーマネントイエローレモン + セルリアンブルー(今回は実験外)
- ビリジャンヒュー + イエローオーカー
明るい若葉、
標準的な葉の色、
深い森の緑など、
黄色と青の組み合わせを変えることで、
さまざまな葉の緑を作ることができます。
今回の実験には取り入れていませんが、
「サップグリーン」は単色の濃淡で幅広い緑を楽しめます。
ここに1色加えることで深みが増します。
ぜひカラーチャートを作りながら、
自分の絵に合う緑を見つけてみてください。
Q3 葉っぱの色を上手に作るコツはありますか?
A
葉の緑を作るときは、
色を作る前に「明るさ」を見ることが大切です。
葉は同じ緑でも
- 明るい若葉
- 中間の緑
- 深い影の緑
の3つに分かれます。(目次の1.1参照)
まず明度を観察し、
そのあと黄色と青の混色で色を作ると、
自然な葉の色を作りやすくなります。

その他にも、アクリル画や油彩画、漫画、イラスト、切り絵、デッサンなど、美術全般の指導書としてもやさしくていねいに学べるHPですぴー。
ぜひ別の記事でも楽しく学んでいただければと思いますぴー。
- ニュートラルカラーとは白・黒・グレー(無彩色)および、ベージュ・アイボリー・カーキ・トープなど低彩度な中間色。 ↩︎
















なぞなぞですかっぴ〜?