「初心者向け透明水彩風景画|ペンと淡彩でやさしく描くステップガイド」

透明水彩とペンで描かれた風景画と、画家マキノロランのキャラクターが登場する。このサイトの内容に期待感を持たせる画像。
マキノロランが伝授する「ペンと淡彩の風景画サイト」へようこそ。水彩画を学びたいあなたに、優しく・楽しく・本格的に、ペンを使った淡彩風景画の描き方をお伝えします!

こんにちは。画家のマキノ ロランです。
私は水彩画の初心者の方々の悩みに寄り添う自称「心の優しい画家」です。
透明水彩初心者のために、水彩画の魅力を伝えるための連載をしています。

「風景を描いてみたいけど、どうやって始めればいいの?」というあなたへ。
この記事では、透明水彩とペンを使った風景画の描き方を、やさしく丁寧に解説します。
特に初心者の方がつまづきやすい「下書き」「ペンの選び方」「色の塗り順」などを、キャラクターとの対話形式も交えながら、楽しく一緒に学んでいきます。

ペンの繊細な線と、水彩の透明感のある色彩が織りなす淡彩画は、イラストのような軽やかさと、絵画としての完成度を兼ね備えた魅力的な技法です。
では、一緒に学んでいきましょう!

視点1:描く準備──画材を揃えよう!

マキノロランがステッドラー社のピグメントライナーを使って描いた「忍野八海から見る富士山」の淡彩風景画の例。亀の親子が富士山を見上げるように、水彩画初心者も努力は実るという思いが示唆されている。
はじめての透明水彩でも大丈夫!ペンと淡彩で描く風景画を、あなたもしっかりと習得できるように丁寧に解説します。亀の親子のように希望を抱いて共に頑張りましょう!

ペン画に淡彩は準備がそんなに大変ではないと思います。
下記の記事を読んでいろいろ試しながら、自分流のペン画淡彩の風景画を楽しみましょう。

1-1 ペンの選び方と特徴

(1)淡彩に使うミリペンの太さを画像で比較するのでみてください。👇

①  0.05〜0.8mmはサクラのPIGMA。
🖊️ 0.05〜0.3mmの書き味は「硬い感触」がします。
🖊️ 0.5、0.8mmの書き味は「ソフトな感じ」がします。
② パイロットの0.7mmボールペン(SUPER GRIP/G 0.7)は、
PIGMAより細くかすれやすいです。
③ サクラのマイネーム極細は、しっとりとしていて、ミリペンよりかなり太いです。

風景画で使う「SAKURA MICRON PIGMA各種(0.05〜0.8mm)」と「PILOT SUPER GRIP/G 0.7」「サクラマイネーム極細」の線の太さの比較。
ミリペンの太さによる線の違い。使い方を工夫しながら、奥行き表現に役立てます。紙はマルマンの画用紙です。

(2)使用ペン:通称「ミリペン」

長所
インクの出が均一。
一定の線幅で細部の描画ができる。
初心者でも扱いやすい。
短所
線の強弱を出せない。
絵は繊細になるが、迫力に欠ける絵になる。
力を入れすぎるとペン先が潰れる可能性がある。
ほとんどのメーカーは使い捨て商品。
モジャ先生
ロランさんはミリペンを紹介しているが、わしゃマイネームの方がええのう。
芸術はモジャモジャだ!の感じで描けるがね。

(3)太さの目安:0.05〜0.8mmで使い分け
🔰 太いペンは近景などに使います。
🔰 細いペンは遠景や明部に使いやすいです。
A4サイズ程度の作品なら、0.5mmあたりが使いやすいかなと思います。

わしは0.5mm一本勝負じゃな。筆圧で強弱を加減した方が絵に感情を込められるぞな。

(3)描画技法:線描・点描・破線・かすれなど

Ronron
多彩な表現が可能ですが、どちらかというと細密描写向きです。

(4)おすすめメーカー
🩷 Staedtler Pigment Liner(ステッドラーピグメントライナー)
🩷 サクラクレパスPIGMAなど。

Ronron
輪郭線は、描く対象の形を際立たせる大切な要素です。
太さを使い分けながら、絵の強弱や遠近感を意識してみて下さい。

1-2 水彩紙の選び方

ペン画で水彩画を描く際に使用する紙を比較する2枚の絵。初心者練習の向けに安価な紙を紹介。1枚はマルマンの画用紙にペン書き。もう1枚はコピー用紙に筆で下書きし淡彩を施している。
左はマルマンの画用紙にサクラのPIGMAで下書き。右はコピー用紙に筆ペンで下書き。初心者が練習するには安価な紙でも構わない。慣れてきたら、アルシュやウォーターフォード紙を使ってみよう!

ここでは、おすすめの水彩紙と選ぶポイントを紹介します。
(1)おすすめ紙
① 気合を入れて描くならアルシュ、ウォーターフォードなど。
② 練習用に描くならマルマンなど。

(2)選び方のポイント中目の水彩紙を推奨します。
① ペンの滑らかさを生かすには、細目、中目。
② かすれ表現をしたい場合はザラザラした荒目。
ただし、かすれ表現はどの水彩紙でもある程度筆圧で調整できます。

初心者練習用に紹介するマルマンの画用紙の画像。20枚で220円なので、とてもお得である。水彩紙ではないが、初心者がペンを使って描く淡彩の風景画には充分対応できる画用紙である。
今回この記事で紹介しているペンを使用した淡彩画は、すべてマルマンの画用紙を使用。A4版20枚で220円なので、とてもお得。初心者がペンを使って描く淡彩の風景画には充分対応できる画用紙です。
ピ太郎
先生はコピー紙に描くこともあるんですかにゃん?
ぼく、考えもしなかったにゃん。
つるつるしてペンがすべっちゃわないかニャ?!
Ronron
ハハハハハ、ピ太郎、初心者はチャレンジ精神でいろいろ試してみよう!
ただし、高価な水彩紙を使えば、絵の上達は間違いなく早くなるよ。
そう言えばピ太郎、この前、手にもペンで何か描いてた…気のせいかな〜!??

1-3 絵の具道具の準備

水彩画初心者が淡彩で風景画を描く際に、どんな絵の具を使うと良いかを紹介している画像。左はウィンザー&ニュートン社のパンカラー、右下はホルベインのケーキカラー、右上は小中学生が使用する安価な絵の具。いずれも固形化しているので水で溶かして使用する。
左はウィンザー&ニュートン社のパンカラー、右下はホルベインのケーキカラー、右上は小中学生が使用する安価なチューブ絵の具。いずれも固形化しているので水で溶かして使用します。パレットが汚いのは、使った色を忘れないで再利用するため!

(1)絵の具 (絵の具の選び方を知りたい方はここをクリック
水彩絵の具にはいくつかの種類があります。
① 小さな四角いケースに入っているパンカラー
② 丸いケースに入っているケーキカラー
③ そしてチューブ絵の具
パレットに固めれば水で溶かしてすぐ使えます。
どれも薄く水で溶きながら描く透明水彩タイプですね。

ベル先生
発色のレベルは、パンカラーが第1位!かな…
どれも値段が高いものはやっぱりそれなりですね。

(2)筆とティッシュ(または布)筆の選び方を知りたい方はここをクリック
① A4版程度の小さな作品は、日本画用の面相筆、彩色筆、平筆で十分です。
6号と14号〜20号くらいの丸筆があればさらに十分です。
しかも動物毛筆なら素晴らしい書き味です。
③ 布よりティッシュの方が使いやすいです。
筆を拭いたり、紙に垂らした絵の具を拭き取ったりします。

(3)水入れ(バケツ)
① 「筆についた絵の具を洗う水」
② 「もう一回筆を洗う水」
③ 「新しい絵の具用に使う綺麗な水」
この3か所のスペースがあれば大丈夫です。

視点2:下書きからペン描写へ──風景の骨組みを作る

ベル先生
さあ、ここからはいよいよ絵を描いていきましょうね。
マキノロランがサクラクレパス社のPIGMAを使って描いた「ハクサンフウロと品倉山」の淡彩風景画の例。PIGMAは遠景の品倉山に0.5mmを、近景のハクサンフウロの描写に0.8mmを使用。
サクラクレパス社のPIGMAを使って描いた「ハクサンフウロと品倉山」の淡彩風景画の例。PIGMAは遠景の品倉山に0.5mmを、近景のハクサンフウロの描写に0.8mmを使用。絵の具はパンカラーを使用。

2-1 モチーフ選びと構図

(1)場所選び室内での練習用と屋外スケッチの場合

モチモチ
先生、屋外での風景画の場所選びはどうしたらいいですか?
ベル先生
そうね、モチモチさんが屋外でスケッチするなら、身近にある緑豊かな公園なんかどう?家の近くの風景などでもOKね。
綺麗だなと思う「色」やカッコいいなと思う「形」なんかを探すのも場所選びのコツですね。
室内で描くペンを使った淡彩画なら、雑誌やネットに掲載された風景の画像から気に入ったところを選んで描く練習をするのもいいですね。
ピ太郎
ただし、他の人の画像を借用した時は、SNSでの公開(他の人の目に触れる)は禁止だニャン。
原作者の訴えがあれば裁判で処罰される可能性があるニャン〜。
そういう時は、原作者の許可を得て出典を明記するニャン。
著作権フリーの画像を参考にするのが安全だニャン。
ベル先生
普段から自分でいろんな写真を撮影しておいて、それを利用するのがいいですね。
それから、屋外スケッチの時は日差しに注意して、日陰の場所から見える風景を探しましょうね。

(2)構図の基本構図を詳しく知りたい方はここをクリック

💁🏻‍♀️ 一番描きたいのは何か、それを主役として気持ちが伝わる構図を考えましょう。
🥷 ① 地平線の位置 ② 遠近感 ③ 明暗や色のバランス に気をつけるでござる。
🥷 ② 「ここが美しい!」「なんかこの場所いいぞ!」
そこには美の要素が隠れているでござる。
その感覚を大事にするでござる。
🥷 ③ 安定したおすすめ構図は「三分割の構図」でござる。
主役は画面の三分割の交点におくと落ち着いた絵になるでござる。

三分割法の構図例。画面を縦横に3分割し、交点に主役を配置することでバランスの良い絵になる。
三分割法の構図:交点にモチーフを置くと、視線が自然に集まり、安定感のある構図になります。

2-2 初心者は鉛筆の下描きをしよう

ベル先生
ペンを使った淡彩画を描き進める方法は3つあります。
みなさん、わかりますか?
Namyちゃん
は〜い!私は 鉛筆の下書きなしでペンで清書します。
そのあとで絵の具で淡彩します。
でも、ペン書きでちょっと失敗が多いかも…へへへ😅
ライト君
はい! ぼくは最初は鉛筆で下書きをして、その上をペンでなぞります。
そして、ペン画の上に淡彩をします!
ペタ子ちゃん
私は鉛筆で下書きをやって、淡彩をした後にペンで輪郭を描くのがいいと思います!
だって、その方がペンの色がはっきりするもん。
ベル先生
みなさん、よくできましたね。
3つの方法がありますが、
初心者は、HBの鉛筆で、薄めに下書きしましょうね。
では、ペタ子さんが言った「鉛筆」→「淡彩(絵の具)」→「ペン」の場合を「視点3」で紹介しますね。
「ペン入れのコツ」を読んだら、そちらを勉強してくださいね。

2-3 ペン入れのコツ(考え方)

「ペン入れ」とは、鉛筆で描いた下絵をペンでなぞって線を描くことです。
ペンで描き終えたら消しゴムで鉛筆の線を優しく消します。
1−1で紹介したように、さまざまなペンがあるので、色々試しながら自分に合ったペンを見つけてください。

マキノロランが水彩風景画初心者向けに、サクラクレパスのPIGMAで下がきの輪郭を描いた「品倉山とハクサンフウロの花」の絵。使用したペンは遠景の品倉山が0.5mm、近くのハクサンフウロは0.8mm
右に置かれているのは、サクラクレパスのPIGMAです。ミリペンは細いので、細部の描写に向いています。遠近感を意識し、近くの花を0.8mm、遠くの山は0.5mmと使い分けて描いています。

突然ですが、問題です。😱
ペン入れの基本的な考え方に当てはまる語句を選んで答えるべし!
【語句】 弱め 太い 強め ハッチング 細い
問1:遠近感を感じさせるために、近くは( ① )ペンで、遠くは( ② )ペンで描く。
問2:1本のペンで描く場合、近くは( ③ )の力で、遠くは( ④ )の力で描く。
問3:ペンで陰影を表したい場合、( ⑤ )という技法を使うと良い。

それでは、答え合わせじゃぞなもし。
①は太い、②は細い、③は強め、④は弱め、⑤はハッチング、以上じゃ。
あっという間に、ペン入れの基本的な考え方がわかったようじゃな。
近くは太く濃く、遠くは細く薄く。
これがペン入れのコツじゃ。

2-4 ハッチングでの陰の描き方

ペン画と淡彩の組み合わせでは、あまりペンによる陰影はつけません。
しかし、樹木などを立体的に描いてみたい時は、
ハッチングでの陰影は強力な武器となります。

ハッチングとは
ハッチングとは、平行線や斜線を描き込む描画技法です。
ただのハッチングは陰影を表すのに適しています。
ハッチングをいくつも交差させていくクロスハッチングは、質感や立体感を表現できます。
ベル先生
それでは、「手順1〜手順3」を見て、ハッチングの描画手順を学んでくださいね。
✍️ 手順1:鉛筆で下書きをしたらペンでなぞり書きをする

マキノロランが描いた明暗や陰影、立体感などを表すためのペンによる技法紹介の図。使用画材はピグメントライナー0.3mm。風景画初心者の学習向けに、樹木の輪郭を描いている。
風景画初心者は、樹木の立体感をハッチングで表現する練習をしてみましょう。陰影はハッチング、立体感はクロスハッチングを使います。まずは輪郭を描きます。

✍️ 手順2:ハッチングで大まかな陰を描く

マキノロランが描いた明暗や陰影、立体感などを表すためのペンによる技法紹介の図。使用画材はピグメントライナー0.3mm。PIGMA0.1mm。サクラのマイネーム。風景画初心者の学習向けに、樹木の陰影をハッチングで表現している。
風景画初心者は、図のように樹木の立体感をハッチングで表現する練習をしてみましょう。輪郭の次は、ハッチングで大まかな陰影を描いていきます。使用画材はピグメントライナー0.3mm。PIGMA0.1mm。サクラのマイネーム。

✍️ 手順3:クロスハッチングで立体感を出す

マキノロランが描いた明暗や陰影、立体感などを表すためのペンによる技法紹介の図。使用画材はピグメントライナー0.3mm。PIGMA0.1mm。サクラのマイネーム。風景画初心者の学習向けに、樹木の立体感をクロスハッチングで表現している。
風景画初心者は、図のように樹木の立体感をクロスハッチングで表現する練習をしてみましょう。図の右側に書いたように、縦横斜めといくつもの方向からハッチングを重ねていきます。

ハッチングは、クロスさせることで立体感が際立ってきます。
何度も繰り返し練習してマスターして下さいね。

視点3:淡彩で彩る──色の順番と注意点

3-1 色を塗る順番① 「ペン入れ後の淡彩」

手順3の続きです。
陰影部分から先に塗ります。あとで全体を塗りましょう。
この技法を「グリザイユ技法」と言います。

✍️ 手順4:プルシャンブルーと紫で陰を塗る
① 陰の部分はペンのシャープさを失わず、かつ暗さを出すために深みのある青のプルシャンブルー(紺青色)をメインに使います。
② 同時にパープル(赤みの紫)やバイオレット(青みの紫)を塗り重ねると陰に味わいが出ます。

マキノロランが描いた明暗や陰影、立体感などを表すためのペンと淡彩による技法紹介の図。風景画初心者の学習向けに、樹木の陰にプルシャンブルーと紫を塗る淡彩の方法を紹介している。
風景画初心者は、図のように樹木にプルシャンブルーや紫を使って淡彩を施す練習をしてみましょう。ハッチングの密度が高い部分は若干濃い目にプルシャンブルーを重ねるといいでしょう。

✍️ 手順5:黄土色+茶色+黒で幹を塗る
① 樹皮は灰色に近い色のものがほとんどです。
② 今回は黄土色と茶色と黒を混色しています。
③ 赤や青、黄色、緑など、様々な色を重色していくのも楽しいと思います。

マキノロランが描いた明暗や陰影、立体感などを表すためのペンと淡彩による技法紹介の図。風景画初心者の学習向けに、樹木全体に黄土色と茶色と黒を塗る淡彩の方法を紹介している。
風景画初心者は、図のように黄土色や茶色、黒の混色を使って樹木全体に淡彩を施す練習をしてみましょう。濃さの微調整は自分の好みで。樹木は灰色に近いイメージを忘れずにすることが大事。茶色ではありません。
ペタ子ちゃん
ハッチングやクロスハッチングですごく時間がかかって手が疲れたけど、淡彩ってあっという間ですね。
30分で塗れちゃいました!
Ronron
今回は「鉛筆」→「ペン」→「淡彩(絵の具)」の順番だったね。ハッチングで立体感がしっかり描いてあると色塗りは楽になりますね。
ペン入れ後の淡彩の注意点
*ペンの上に絵の具を塗るので、ペンの発色が少し失われます。
*つまり、ペンが持つ黒の魅力(力強さ)が失われがちになります。
*解決策として、淡彩後に再度ペンでなぞる場合もあります。

3-2 色を塗る順番②「淡彩後のペン入れ」

Ronron
次は「鉛筆」→「淡彩(絵の具)」→「ペン」の順番を紹介しますね。
この塗り方はペン入れが最後なので、輪郭線が際立ちますね。

✍️ 手順1:鉛筆での下書きで、風景の骨組みを描く

マキノロランが描いた碁石海岸穴通磯(あなとおしいそ)の鉛筆下書き画像。鉛筆はHB、消しゴムは練り消しを使用。初心者が現地でもスケッチできる描き方を紹介。
碁石海岸穴通磯(あなとおしいそ)のスケッチ第一段階。HB鉛筆でおよその当たりをつけて線を引いていく。消しゴムは練り消しを使う。

✍️ 手順2:ペン描写の前に、遠景から淡彩での彩色を行う
※最終的にペン入れすることで、ペンのインクを際立たせるため。

マキノロランが描いた碁石海岸穴通磯(あなとおしいそ)の下書き第二段階の画像。絵の具は透明水彩絵の具。初心者が現地でもスケッチできる描き方を紹介。
碁石海岸穴通磯(あなとおしいそ)のスケッチ第二段階。背景をコバルトブルーやセルリアンブルーでのびのびと塗る。海も同じ色にプルシャンブルーなどを加えて塗っていく。

✍️ 手順3:淡彩で、近景を彩色し全体の調子を整える

マキノロランが淡彩画で描いた碁石海岸穴通磯(あなとおしいそ)の下書き第三段階の画像。絵の具は透明水彩絵の具。初心者が現地でもスケッチできる描き方を紹介。
碁石海岸穴通磯(あなとおしいそ)のスケッチ第三段階。岩肌に紫や茶色、緑や黄土色などを混色や重色で塗り重ねる。海にも同じ色で影を描き込む。

✍️ 手順4:ペン入れを行い、画面を引き締める

マキノロランがペンを使い淡彩画で描いた碁石海岸穴通磯(あなとおしいそ)の画像。ペンはサクラのマイネーム油性ペン。絵の具は透明水彩絵の具。初心者が現地でもスケッチできる描き方を紹介。
碁石海岸穴通磯(あなとおしいそ)のスケッチ第四段階。ペンを使って最後に輪郭や陰影を描く。ペンは太さの強弱を出せるように、サクラのマイネーム油性ペンを使用。

ペンを使って風景画を描くことが不慣れなうちは、
一発ペン書きではなく、
鉛筆で下書きをしてから進めるようにしましょう。

淡彩後のペン入れの注意点
*ペン入れの前に絵の具で塗るので、下書きの鉛筆線が見えなくなることがあります。
*初心者は、少し濃いめに下書きをすると良いと思います。

最後に──読者へのメッセージ

透明水彩とペンを使った風景画は、ゆったりとした気持ちで始めやすい初心者向けの水彩画です。
表現の幅も広く、印象的で力強い表現もあれば、軽やかで清潔感のある仕上がりも楽しめます。
今回は2種類の描き方の工程を紹介しました。
彩色は彩度を高めにすると軽快な感じが出せて、ペンの黒とも相性が良いと思います。

かつて、ルノワール(1841〜1919年)という印象派の画家が「黒こそ、色彩の女王だ!」と画商ヴォラール(ヴォラールが記したルノワールの回想伝記の中の言葉)に語ったそうです。
どこかで一度は耳にしたことがありませんか。
ペン画淡彩も、色彩の女王「黒」様をいかに描き込むかで美しさや感動に大きな影響を与えそうですね。
それでは、この記事が、あなたの創作の第一歩になることを願っています。

ピ太郎
このHPでは、水彩画を中心に、絵に興味のある人の疑問(材料や道具の選び方や使い方、水彩画の技法など)に答える内容を紹介しますぴー。
その他にも、アクリル画や油彩画、漫画、イラスト、切り絵、デッサンなど、美術全般の指導書としてもやさしくていねいに学べるHPですぴー。
ぜひ別の記事でも楽しく学んでいただければと思いますぴー。