こんにちは。画家のマキノ ロランです。

水彩画を始めたばかりの方から、よくこんな質問をいただきます。
・水彩紙はどれを買えばいいの?
・紙の厚さって何?
・コットン紙とパルプ紙の違いは?
・紙がふにゃふにゃになるのはなぜ?
実は、水彩画の仕上がりは
水彩紙によって大きく変わります。
同じ絵の具を使っても、紙が変わると
・にじみ
・発色
・ぼかし
すべてが違って見えるのです。
そこでこの記事では、
水彩紙の選び方を 3つの視点から分かりやすく解説します。
1️⃣ 紙の厚さ(坪量)
2️⃣ 紙肌(細目・中目・荒目)
3️⃣ 原料(コットン・パルプ)
さらに記事の中では
- 初心者におすすめの水彩紙
- 紙が波打つ原因
- 水張りの基本
- 100円ショップの水彩紙の実力
なども、画像を交えながら紹介していきます。
水彩紙にはそれぞれ個性があります。
まるで人の性格のように、一枚一枚が違う表情を持っています。
自分の描きたい表現に合う紙を見つけることができれば、
水彩画はもっと楽しく、もっと自由になります。
それでは、水彩紙の世界を一緒に見ていきましょう。

Contents
- 1 初心者におすすめの水彩紙
- 2 水彩紙 いろいろ比較!(画像付き)
- 3 【初心者向け】水彩紙の厚さ(坪量)の選び方|失敗しない目安を解説
- 4 【初心者向け】水彩紙の紙肌(細目・中目・荒目)の違い|仕上がりが変わる重要ポイント
- 5 【初心者向け】水彩紙の原料(コットン・パルプ)の違い|発色・にじみ・耐久性を解説
- 6 【初心者向け】水彩紙の形状とサイズの選び方|失敗しない購入ガイド
- 7 💬 ronron先生と ぴ太郎の対話
- 8 🧪 100円ショップの水彩紙について
- 9 まとめ|初心者が失敗しない水彩紙の選び方
- 10 補足:上級者・公募作品向け|ロールタイプという選択
- 11 補足:紙の製造歴史をどーんと紹介!
- 12 補足:水彩紙の「細目・中目・荒目」を深掘り
- 13 補足:表面処理の【サイジング】って何?
- 14 補足:人・生活を支える「バイオミメティクス」
初心者におすすめの水彩紙
水彩紙には多くの種類がありますが、初心者の方は
- 価格が高すぎない
- 扱いやすい
- にじみや発色が安定している
という条件を満たした紙を選ぶと失敗しにくくなります。
ここでは、水彩画を始めたばかりの方でも扱いやすい
おすすめ水彩紙ベスト5を紹介します。
価格、使い勝手、入手のしやすさを考えて選びました。
第1位 ワトソン水彩紙(Watson)

保水性と強度のバランスが抜群。修正もしやすく、初心者でも失敗を恐れず描けます。
初心者に最もおすすめされることが多い水彩紙です。
特徴は次の通りです。
特徴
- 紙のコシが強い
- にじみが安定している
- 価格が比較的手頃
コットン紙ではありませんが、
コットン配合のパルプ紙としては非常に品質が高く、
水彩の基本技法である
- にじみ
- ぼかし
- 重ね塗り
がバランス良く行えます。
水彩教室でも練習用としてよく使われる定番の紙です。
おすすめ理由
初心者の方が「水彩らしい表現」を体験するのに
とてもバランスの良い水彩紙だからです。
第2位 ヴィフアール水彩紙(VifArt)

発色が明るく、にじみが広がりすぎないため、狙ったところに色を置きやすいのが魅力。
日本の画材メーカー
マルマンが開発した国産水彩紙。
スケッチブックとして販売されていることが多く、
初心者でもすぐに使いやすい水彩紙です。
特徴
- 発色がきれい
- 紙肌が扱いやすい
- スケッチブックタイプが豊富
国産らしい程よい凹凸(シボ)があり、細かい描写もしやすいのが特徴です。
イラストや透明水彩の作品にもよく使われています。
おすすめ理由
スケッチブック形式で購入しやすく、
外でスケッチする方にも使いやすい水彩紙だからです。
第3位 モンバル水彩紙(Montval)

フランス製の伝統的な中性紙。たっぷり水を使っても波打ちにくく、安定感があります。
フランスの画材メーカー
キャンソン
が製造している水彩紙です。
特徴
- 価格が比較的安い
- 厚みがあり丈夫
- 練習用に最適
やや吸水が穏やかなため、
初心者でもコントロールしやすい紙です。
おすすめ理由
価格と品質のバランスがよく、
練習をたくさんしたい方にうってつけだからです。
第4位 ラングトン水彩紙(Langton)

水彩特有の「にじみの美しさ」を実感しやすい紙。しっとりした優しい質感が特徴です。
イギリスの画材メーカー
ダレル・ロウニー
が製造している水彩紙です。
特徴
- 発色が良い
- 水のにじみがきれい
- 透明水彩との相性が良い
おすすめ理由
水彩らしいやわらかい表現が出やすい紙です。
少しステップアップして、本格的な英国風の透明水彩を楽しみたい方に最適だからです。
第5位 アルシュ水彩紙(Arches)

憧れの最高級紙。乾くのがゆっくりなので、納得いくまで「ぼかし」を調整できます。
世界的に有名なコットン100%の水彩紙です。
特徴
- にじみが非常に美しい
- 重ね塗りに強い
- プロも愛用
1枚の単価は高いですが、
『紙を変えるだけで、こんなに上手く描けるのか!』という驚きを体験させてくれる紙です。
おすすめ理由
「初心者こそ良い紙を使うと技法が成功しやすい」
勇気を持って、少しずつ試してみてはいかがでしょう。

同じ絵の具を使っても 紙が変わると
・にじみ
・発色
・ぼかし
すべての表情が変わります。
ぜひいくつかの紙を試して、 自分の描き方に合う水彩紙を見つけてくださいね。
水彩紙比較表(初心者向け)
| 水彩紙 | 原料・紙肌・価格 | おすすめ度 | 特徴 |
| ワトソン | パルプ+コットン・中目・◎ | ★★★★★ | バランスが良く、初心者に定番の水彩紙 |
| ヴィファール | パルプ・中目・◎ | ★★★★☆ | 発色が美しい |
| モンバル | パルプ・中目・◎ | ★★★★☆ | 価格が安く練習向き |
| ラングトン | パルプ・中目・○ | ★★★★☆ | にじみが美しい |
| アルシュ | コットン100%・中目・△ | ★★★☆☆ | プロ向きの品質 |

ワトソンまたはモンバル
から始めると失敗が少ないです。
透明水彩の発色を重視する方は
ラングトンもおすすめです。
※ラングトン・プレステージは
コットン100%で価格は1.5倍程度になります。
どの水彩紙を選ぶか迷った場合は、
まずは「厚さ」と「紙肌」を理解すると判断しやすくなります。
水彩紙 いろいろ比較!(画像付き)
① 英国で普及版の上質水彩紙。② ほどよい滲みと鮮やかな発色が特長。
③ 耐久性があり、初心者からプロまで幅広く使用。
① コットン100%ホルベインオリジナル高級水彩紙。② 純白の紙色でハイライトが透明感を増す。
③ 水はじきの強い紙肌。
④ にじみ、ぼかし、たまりなどの技法に適する。
⑤ グラデーション効果を際立たせ鮮やかに発色する。
⑥ 表面強度が強く、スクラッチやマスキングなどの技法可。
① 表面には天然ゼラチンサイズが施され独特の匂いがする。② 紙に安定性があり、濡れた状態でも紙の変形が少ない。
③ サイジングは強く、目が荒くなるほど絵具をはじき、乾燥も遅くなる。
④ 淡彩を重ね深みのある透明感を表現できる。
⑤ グラデーション◎。
⑥ エッジの表現はキツくない。
⑦ スクラッチなど、幅広い技法に対応。
⑧ リフティングは▲。
⑨ 発色、耐久性は◎。
① 長繊維の純良パルプ100%。白色。② 表面が強く、発色に優れている。
③ やや細目で吸い込みを抑え、ムラのない塗りに向く。グラデーションはあまり綺麗ではない。
④ 淡彩画、細密描写、カラーインクでの彩色に適している。
⑤ 色鉛筆・マーカー・パステル・イラスト画にも可。
① マスキングなどあらゆる技法に耐えうる表面強度。② 絵具の吸い込みを抑え発色が良く、にじみやぼかしが美しく仕上がる。
③ 英国の代表的な高級水彩紙。
④ 初心者が挑戦するのに向いている。
① ワットマンタイプの発色性に優れた水彩画用紙。② 酸化による黄変がなく、長期保存に向いている。
※ ワットマン紙とは、純白の厚地の水彩画用紙。1760年に英国のワットマンが麻や木綿のボロ布を原料として漉き始めた手漉き紙を言う。
① ナチュラルホワイトで、発色が非常に良い。② 水に強く、描画後も波打ちが少ない。
③ 抗菌処理が施してあり、カビなどの菌類が付かない。
④ アクリルやガッシュ、淡彩にも可。
① ナチュラルホワイトの水彩紙。② 表面を強化してあり、毛羽立ちがない。
③ パステルや色鉛筆も可。
① 純白色の画用紙で、スクール用に好評。② 特に不透明絵の具のノリが良く発色が美しい。
③ 毛羽立ちにくく、鉛筆画や、墨画、コミックなどにも対応。
④ M画はA画に比べ厚く水に強く、波打ちしにくい。
⑤ 鉛筆画、墨画、コミックなども可。
① 画用紙のワンランク上。水彩画練習用に適する。② 強靭かつラフな紙肌で消しゴムに強い。絵具の発色性が鮮やか。
③ 塗り重ね、滲み・ぼかしができる。やや波打つ。
④ 鉛筆のノリが良い。色は自然なナチュラルホワイト。
⑤ 両面エンボスを施し表裏がない。
⑥ パステル・コンテ・色鉛筆・マーカー・アクリルも可。
① 適度な吸い込みで絵具の発色が美しい。② 強靱な表面で、洗いやスクラッチ、マスキングなど多様な技法に対応。
③ 100%コットンモールド抄紙製法の高級水彩紙。
① モールドメイド製法(半手漉き)による水彩紙。② 着色したい箇所に絵具が溜まり、ドライ技法・ウエット技法双方の彩色がしやすい。
③ 水を塗った表面がしっとりとし、ぼかしやにじみがしやすい。
④ 絵具の発色が鮮やかで綺麗な表現が出来る。
① 細目…表面が滑らか。線画、ボタニカルアートなどにも適している。発色が良く、にじみ止めが強い。水を強く弾く。多様な技法に対応。② 中目…適度な凹凸で、初心者向き。表面の強度はあまり強くない。
③ 荒目…ラフな紙肌で、にじみ止めが強い。水を強く弾く。凹凸のポケットに水が溜まりやすく発色が良い。荒目の水彩紙は、技術的に製法が難しい。国産では、ヴィファールが最初。
① モールドメイド製法によるコットン100%の最高品質の水彩紙。② 強度と耐久性は、あらゆる技法に対応。
③ 保水性に優れ絵具の滲みやぼかしがしやすい。
④ 紙は純白で絵具の発色を最大限に生かす。
⑤ 各種水性絵具やインク、鉛筆、ドローイングなどに最適。
① 良質パルプにコットンを高配合したメイドインジャパンの高級水彩紙。② やや荒目に近い中目の紙肌で白い紙色が特徴。
③ 吸い込みを抑え、絵具が均一に表面に留まり美しい発色に仕上がる。
④ 水はじき・表面強度が強く様々な水彩技法に対応。
① 明度差の表現に最適な白色度をもつ紙肌。② 保水性が高く、ぼかし・にじみ・バックラン・リフティングなどの表現性にすぐれる。
③ 撥水性が強く水彩境界がでやすい。
④ 表面強度が高く、マスキング耐性を持つ。
⑤ チャコール、パステルののりが良く、コットンの弾力性で目潰れしにくく油彩画のような仕上がりまで描き込める。
⑥ デッサン、スケッチ、パース用に最適。
① 荒目 特厚口:253g/m2 ラフ目の強い紙。水に強い紙肌。吸い込みを抑えた紙質で、塗りムラが出にくい。
① 温かみのやや黄味がかった白色が特徴の専門家用高級水彩紙。② 両面彩色対応。
③ 紙質は保水性と耐久性に優れる。
④ ぼかしやにじみ技法、リフティングがしやすい。
⑤ 水と絵の具を強く弾くので、色沈みのない発色が得られる。
① 初心者にも使いやすく、上級者まで幅広く使える。② 水のはじきは弱め、乾燥は早め。
③ 水をたっぷり使用したウォッシュ技法などにもスムーズに対応。
④ 紙色は純白で発色や手触りが良い。
⑤ 英国国立水彩画協会選定品。
⑥ ガッシュ、パステル、鉛筆、木炭も可。
① 学生からプロまで愛されているラウニー水彩紙の定番。② 厚手の紙で、ウォッシュ技法でも波打たず、初心者にも使いやすい専門紙。
③ パルプならではの発色の鮮やかさと、適度な吸水性がある。
④ 紙の白さが絵の具の発色を引き立たせる。

② 水に強いので、水洗いや色の拭き取りがしやすい。
③ 滲み・ぼかしがしやすい。
④ 発色が良い。
⑤ 紙面は中目と細目を両面に組み合わせた表裏なし。
⑥ パステル・色鉛筆・アクリル可。
① 英国最高級ワットマン紙に1番近い紙質。② 原料に良質の綿を用いて繊維純度が高く、紙肌が美しい。
③ 伝統のナチュラル色。発色が良く、穏やかな色調の仕上げが好みの人向き。
④ 保水性が高く、ぼかし・にじみ・バックラン・リフティングなどに対応。
⑤ 表面強度が高く、マスキング耐性を持つ。
⑥ パステルでは目潰れせず描き込める。
【初心者向け】水彩紙の厚さ(坪量)の選び方|失敗しない目安を解説

坪量とは?水彩紙の厚さの見方

水彩紙の厚さは「mm」ではなく、
重さ(g/m²)=坪量で表示されます。
● 坪量(つぼりょう)
1㎡あたりの紙の重さ
→ 単位:g/m²
● 連量(れんりょう)
1,000枚の紙の重さ
→ 単位:Kg

実際の「mm厚」はあまり意味がありません。
だから世界共通で「重さ」で管理されているんですね。
初心者に最適な坪量の目安

価格に余裕があれば、ウォーターフォードが私のお気に入りでおすすめです。
水彩紙は、坪量によって使いやすさが大きく変わります。
以下を目安に選びましょう。
*250g/m程度→バランスが良く、初心者におすすめ。
*300g/m2→水をたっぷり使える。長期保存できる目安

・にじみが美しい
・失敗しにくい
ので、最初は少し厚めを選ぶと安心ですね。
水張りは必要?初心者の判断基準

水彩紙は薄いと水で波打ちます。
その対策が「水張り」です。
・アルシュ185g ・ウォーターフォード190g ・ストラスモア190g ・ファブリアーノ200g ・アルビレオ151g、218g ・クレスター210g ・サンフラワーM画157g ・シリウス171g、218g ・マーメイド153g、186g ・モンバル185g ・ワトソン190g など
*250g/m2以下→推奨
・ヴィフアール242g ・マーメード235g ・ワトソン239g
*300g/m2→基本不要
初心者の方は、水張りなしで描ける250g/m2程度がおすすめです。
水彩紙は厚さだけでなく、
表面の「紙肌」によっても仕上がりが大きく変わります。
【初心者向け】水彩紙の紙肌(細目・中目・荒目)の違い|仕上がりが変わる重要ポイント

水彩紙には「紙肌(かみはだ)」と呼ばれる表面の凹凸があります。
この紙肌によって、作品の仕上がりは大きく変わります。
結論から言うと、
👉 初心者は「中目(コールドプレス)」を選べば失敗しません。
理由は
- にじみと描きやすさのバランスが良い
- どんなモチーフにも対応できる
- 技法の練習に向いている
からです。
紙肌とは?水彩紙の表面の違い

紙肌とは、水彩紙の表面にある「細かい凹凸」のことです。
この凹凸があることで
- 絵の具が引っかかる
- 水がとどまる
- にじみが生まれる
といった、水彩特有の表現が生まれます。

細目・中目・荒目の違い

水彩紙の紙肌は、大きく3種類に分かれます。
■ 細目(さいめ / ホットプレス)
- 表面がなめらか
- にじみが少ない
- 細かい描写に向いている
👉 イラスト・人物・線画向き
■ 中目(ちゅうめ / コールドプレス)
- 適度な凹凸
- にじみと描きやすさのバランスが良い
👉 初心者に最もおすすめ
■ 荒目(あらめ / ラフ)
- 凹凸が大きい
- にじみやかすれが強く出る
👉 風景・表情重視の作品向き


サイジング(にじみのコントロール)とは?

水彩紙には「サイジング」と呼ばれる加工がされています。
これは
水や絵の具の染み込み方を調整する処理
です。
■ サイジングの役割
- 水の吸収をコントロールする
- にじみすぎを防ぐ
- 発色を安定させる

すると、にじみすぎてコントロールが難しくなるぞい。


初心者のための紙肌の選び方まとめ
最後に、初心者の方向けにシンプルにまとめます。
■ 迷ったらこれ
👉 中目(コールドプレス)
■ 描きたいもの別
- イラスト → 細目
- 風景 → 荒目
- なんでも描きたい → 中目

紙の表面だけでなく、
「原料」によっても水の動きや発色は変わります。
【初心者向け】水彩紙の原料(コットン・パルプ)の違い|発色・にじみ・耐久性を解説
水彩紙は主に
- コットン(綿)
- パルプ(木材)
という2つの原料から作られています。
結論から言うと、
👉 初心者は「パルプ紙」から始めてOKです。
👉 慣れてきたら「コットン紙」に挑戦すると表現の幅が広がります。
水彩紙の原料とは?(コットンとパルプ)
水彩紙は「繊維の集まり」でできています。
この繊維の違いが
- 水の吸い方
- にじみ方
- 発色
- 紙の強さ
に影響します。

その性格を決めているのが「原料」なんですよ。
コットン紙の特徴(プロも使う高品質紙)
コットン紙は、綿の繊維から作られた水彩紙です。
■ 特徴
- 水をたっぷり含む
- にじみが美しい
- 発色が良い
- 何度も重ね塗りできる
👉 プロの画家にも多く使われています


水の動きが大きいので、最初は少し扱いが難しいかもしれません。
パルプ紙の特徴(初心者におすすめ)

パルプ紙は木材から作られた水彩紙です。
■ 特徴
- 価格が手頃
- 水の動きが穏やか
- コントロールしやすい
👉 初心者に最もおすすめの水彩紙です


コットン紙とパルプ紙の違い(比較)

| 項 目 | コットン紙 | パルプ紙 |
| 原料 | 綿 | 木材 |
| 価格 | 高い | 安い |
| にじみ | とても良い | 穏やか |
| 発色 | 鮮やか | やや落ち着く |
| 扱いやすさ | 扱いやすい | 扱いやすい |
👉 迷ったらパルプ紙からスタートでOKです
初心者のための選び方まとめ(原料編)

最後にシンプルにまとめます。
■ 初心者
👉 パルプ紙(扱いやすい・安い)
■ ステップアップ
👉 コットン紙(表現力アップ)

紙に慣れてきたら、コットン紙に挑戦してみてくださいね。
どうしても迷ったら
「コットン入り」か
「中性紙」を選べばOKです。
程よく水が扱えるようにサイジングされていますよ。
【初心者向け】水彩紙の形状とサイズの選び方|失敗しない購入ガイド
水彩紙はこれまで解説してきた
によって性能が決まります。
そのうえで最後に考えるのが
👉 「どの形で」「どの大きさで」使うかです。
初心者におすすめの形状はこれ
水彩紙にはいくつかの形がありますが、
初心者の方は次の3つから選べば大丈夫です。
■スケッチブックタイプ

大きさもさまざまな物があります。
- 綴じられていて、そのまま複数枚描ける
- 持ち運びやすい
👉 最も初心者向け
👉 外出先・日常スケッチに最適
■パッドタイプ

表紙をめくって描く時は傾きに注意。剥がして描くのがおすすめ。
- 1枚ずつ剥がせる
- コスパが良い
- 軽くて持ち運びしやすい
- 購入の際、厚みが薄い水彩紙があるので確かめる
👉 練習量を増やしたい人向け

「綴じたまま使うか」「1枚ずつ使うか」で選ぶといいですよ。
■ブロックタイプ

四辺が、かなりしっかりと糊付けされています。
- 四辺が糊で固定されている
- 水張り不要
- 完成後、よく乾燥させてからペーパーナイフなどで剥がす。
👉 水をたっぷり使う本格水彩向け
お試しに最適!カットタイプという選択


水彩紙は、スケッチブックやパッドだけでなく、
1枚ずつ購入できる「カットタイプ」もあります。
■ カットタイプとは?
- 1枚単位で購入できる
- 好きな紙を自由に選べる
👉 画材店では、さまざまな種類の水彩紙を
1枚ずつ試すことができます。
要望に応じて、水張りなどもしてくれます。
■ アソートパックもおすすめ

artgear 未来のための水彩紙アソートには、10種類入っています。
複数の紙がセットになった
👉 お試しセット(アソート)
も販売されています。
上図の左から、①クレスター、②ホワイトアイビス、③ホワイトワトソン、④ワトソン、⑤ランプライト、⑥ウォーターフォード(細目)、⑦ウォーターフォード(中目)、⑧アルビレオ、⑨ヴィフアール(細目)、⑩ヴィフアール(中目)
- 紙肌の違いを試せる
- にじみ方の違いを試せる
- 描き心地の違いを試せる
👉 一度に比較できるのが大きなメリットです。

いくつか試してみるのもとても良い方法ですよ。
■ 向いている人
- 自分に合う紙を探したい
- 紙選びに失敗したくない
- いろいろ比較したい
👉 そんな方にはカットタイプが最適です。
サイズ選びで失敗しないコツ
| 号数 | 長編サイズ | 短編サイズ |
| ハガキ(A 6判) | 14.8cm | 10cm |
| F 0号 | 18cm | 14cm |
| F 2号 | 24cm | 19cm |
| A 4判(コピー用紙) | 29.7cm | 21cm |
| F 4号 | 33.3cm | 24.2cm |
| 八切り画用紙 | 39.3cm | 27.2cm |
| F 6号 | 41cm | 31.8cm |
| 四つ切り画用紙 | 54.5cm | 39.3cm |
水彩紙はサイズ選びで描きやすさが大きく変わります。
結論から言うと👇
■ 初心者おすすめサイズ
👉 F2~F4サイズ(A4判前後のサイズ)
■ サイズの目安
- A6 判 → ハガキサイズ
- F2 → 手軽に描ける
- F4 → 少ししっかり描ける
- F6以上 → 中級者向け
👉 最初は「小さめ」から始めるのがコツです。
私はA4判の大きさをよく使います。
机の上でも楽に描けます。


小さいサイズでしっかり練習を重ねてから
徐々に大きいサイズに挑戦しようね。
サイズと目的の関係
描く目的によって、適したサイズは変わります。
■ 練習・日常スケッチ
👉 F0~F2
■ しっかり描く作品
👉 F4~F6
■ 展示・本格作品
👉 F6以上
初心者のための選び方まとめ(形状・サイズ)
最後にシンプルにまとめます。
初心者が失敗しない組み合わせはこれです!
■ 形状
👉 スケッチブック or ブロック
■ サイズ
👉 F2~F4

扱いやすいサイズから始めてみてくださいね。
紙選びに迷ったら、水彩画の基本技法や道具選びの記事も参考になります。
水彩色鉛筆、初心者でも安心の描き方・使い方とは?その魅力を徹底解説!
💬 ronron先生と ぴ太郎の対話

水彩紙ってたくさん種類があって迷っちゃうにゃんピー~

きっと、ぴ太郎もいろんな技法が上手くなるよ。

じゃあ、ブロックタイプの中目300g/㎡の紙を探してみるにゃんピー!
水張りしなくていいもんにゃ〜ウシシシシ
🧪 100円ショップの水彩紙について
100円ショップでは水彩紙と言うよりは、画用紙が販売されています。
各社とも品質向上に努力されていると思います。
が、やはり品質には注意が必要です。
紙が薄く、サイジングがされてなく表面の強度が劣る場合があり、
水を多く使うと波打つ覚悟は必要ですね。
昔の言葉で言えば、「安物買いの銭失い」の心配はあります。
一度試して、画材屋さんのオススメと比較してみてはどうでしょう。
まとめ|初心者が失敗しない水彩紙の選び方
ここまで、水彩紙の選び方について解説してきました。
最後に、初心者の方が迷わないように
シンプルにまとめます。
■ 結論:まずはこの組み合わせでOK
👉 紙:中目 × 300g/m² × スケッチブック or パッド
👉 この組み合わせなら
- にじみやすい
- 水をコントロールしやすい
- 失敗しにくい
■ 選び方のポイント(振り返り)
▶ 厚さ(坪量)
👉 300g/m²がおすすめ
詳しくはこちら
→ 厚さの解説
▶ 紙肌
👉 迷ったら「中目」
詳しくはこちら
→ 紙肌の解説
▶ 原料
👉 コットン入りは高品質
詳しくはこちら
→ 原料の解説
▶ 形状・サイズ
👉 F2~F4 × スケッチブック or パッド詳しくはこちら
→ 形状の解説
■ まずは気軽に1冊使ってみよう
水彩紙は、実際に使ってみることで
はじめて違いが分かります。

描きながら、自分に合う紙を見つけていきましょう。
■ 初心者におすすめの水彩紙はこちら
👉 まずはこのあたりから始めるのがおすすめです。
- ワトソン水彩紙
- ヴィフアール水彩紙
- モンバル水彩紙
👉 それぞれの特徴はこちらで詳しく解説しています。
■ さらに理解を深めたい方へ
👉 水彩画の基本はこちら
👉 関連記事はこちら
■ 迷ったらこれを選んでください!
👉 中目 × 300g/m² × パッド or スケッチブック

ぜひ別の記事でも楽しく学んでいただければと思いますぴー。
補足:上級者・公募作品向け|ロールタイプという選択

自分で小分けにカットして使うこともできます。
水彩紙には、ロール状に巻かれた
「ロールタイプ」も存在します。
■ ロールタイプの特徴
- 好きなサイズにカットできる(経済的)
- 大きな作品が描ける
- 継ぎ目のない画面が作れる
👉 公募展や大作制作では、この形式が使われることもあります。
■ メリット
- 自由なサイズ設計ができる
- 大画面でも均一な紙質
- 表現の幅が広がる
■ デメリット
- 保管が難しい(長期保管で紙が風邪をひくこともある)
- 水張りが必須
- 初心者には扱いにくい

まずは扱いやすいサイズで経験を積みましょう。
■ こんな人におすすめ
- 公募展に出品したい
- 大きな作品を描きたい
- 自分の表現を広げたい

現象: 絵具を吸い込みすぎるところや斑点状に弾くところが出てきて、水のコントロールが効かなくなる。
原因: 長期保管による湿気の管理不十分。
補足:紙の製造歴史をどーんと紹介!
※興味のある方はどうぞ読んでください!

唐軍とアッバース朝イスラーム帝国が大激戦!
唐軍が大敗します。
捕虜となった中国人に、紙職人がいました。
この紙職人が、中国で蔡倫(さいりん)さんによって発明された製紙技術をイスラーム世界にもたらしました。 (ちなみに、日本は、植物系原料を用いる製紙技術を受け継いで発展させてるよ。)

そこからヨーロッパ世界に伝わります。
ヨーロッパで最初に製紙工場が作られたのは 1144年、スペインででした。
当時のスペインは、イスラーム王朝の支配下にあったからです。

イタリアに製紙工場ができ、ヨーロッパ全土に紙の文化が伝わります。
ヨーロッパで使っていた紙の原料はボロ布です。
ボロ布を発酵させ、砕いて水に溶かし、ドロドロにしていました。
ボロ布は街中からせっせとかき集めていました。

『街中に製紙工場をつくるな〜!!!』と、住民運動も起こったぐらいです。

「スタンパー」という機械が使われました。
「スタンパー」は、水車の力を利用して杵で布を叩きました。

「ホレンダービーター」という新しい繊維処理機が発明されます。
これはスタンパーの4倍ものスピードです。
しかも、スタンパーより高品質な紙料を作る事ができました。

製紙が産業として発展すると、 これまた原料不足が起きたニャン。
ボロ布だけでは、紙の需要を支えきれなくなったニャン。

1719年にフランスの科学者レオミュールさんがある発見をするのじゃ。
「むむ!スズメバチが木材を粉砕し、紙のように薄い巣を作っているぞ。
木材を紙の原料にできるかもしれんぞ!」
天から紙ならぬ神が降りてきたのです。
この発見を実証したのはドイツの織物工ケラーさんです。

1844年、ドイツで木材をすりおろす機械が開発されました。
これによって作られたのが、 砕木(さいぼく)パルプです。
蔡倫さんが樹皮を原料に紙を作ってから17世紀の時を経て、
ヨーロッパで植物を原料とする製紙技術が確立したのです。

紙の表面に膠(にかわ)を塗る工法から、 滲み止め剤を添加する方式へと。
たくさんの人の叡智に支えられ、
私たちは幸せに暮らせていると言うわけですね。
補足:水彩紙の「細目・中目・荒目」を深掘り
目の荒さは
①「絵具の水分が乾くスピード」
②「細かいところを塗りやすいか」
③「好みの技法を使いやすいか」などに影響します。
それぞれの性格を下にまとめるので比較してみましょう。
・表面が滑らかで凹凸がなく、つるつるした感じがします。
・水の吸い込みや乾きが早いので、表面を水で湿らせてから絵の具をのせていくとムラが出ず均一に色がのりやすくなります。
・筆の滑りはスムーズなので、繊細な表現に向いています。
・大胆なにじみやグラデーションの表現には向かないので、肖像画やボタニカルアートなどを描きたい人向けです。
・不透明水彩とは相性が良い紙肌です。
・表面には荒目と細目の中間で程よい凹凸があります。
・乾きが比較的遅く、さまざまな技法や表現に対応できます。
・表面を水で湿らせてから絵の具をのせていくと、「にじみ」や「ぼかし」が美しく表現できます。
・繊細な表現も十分にできます。
・初心者にはおすすめの紙肌です。
・水分が乾くのが遅いので、「にじみ」や「ぼかし」、「グラデーション」などを美しく表現できます。
・表面の凹凸が強いので、色の強弱を引き出します。
・素早いタッチで描けば、かすれた「ドライブラシ」という表現が出しやすく、ダイナミックな表現を好む人に向いています。
・作品を素早く完成させたい人にも向いている紙肌です。
・完成作品は、光が当たる角度によって色の陰影が生じ雰囲気が変わることもあります。

私は絶対300gの「中目」がいいわ。

300gの「荒目」があってるかも!
補足:表面処理の【サイジング】って何?
※興味のある方はどうぞ読んでください!


それが神業ならぬ紙業(かみわざ)「サイジング」じゃよ。

(心の声:どうしてお爺ちゃんって言葉の最後に「じゃ」をつけるのかな?)
◾️解説◾️
サイジングは「にじみ止め」のことです。
水彩画は絵の具を滲ませるのが楽しいのに、
なぜ「にじみ止め」をするのでしょうか?
紙の主成分となるセルロース繊維は、体の胴体だと仮定してみよう。
そして、そこには2本どころか無数の腕がついている。
ギョギョギョ!
さらに、その指は
他の胴体の腕を掴みたがるという習性が強くあるのです。
お互いの腕を強く掴み合っている。
この力は半端ない強さです。
これを「水素結合」と言います。

原子記号で言うと、腕はO、手はHで、OHとなって結合してます。
紙をビリビリ破いてみると、どうなりますか…?
切断面をチェックしてみてください。
切断面は少しモヤモヤって毛羽立ってますね。
これって、繊維です。
繊維は丈夫なので、そう簡単には切れない。
切り離すとは、
腕と指のつながり「水素結合」を切り離したことなのです!
「水素結合」は、それだけ強い力で結びついています。

紙となるための力「水素結合」には、強大な敵がいるんじゃ。
その敵は、「水」です。
水彩紙って水につけるとふにゃふにゃになりますね。
なぜか?
腕をつかんでいた手は水が大好きです。
そのパルプの繊維の隙間に水が侵入します。
腕をつかんでいた手は、水をつかみ出します。
これを毛管現象といいます。
そのことで、掴み合っていた繊維同士がほぐれます。
ますます水が侵入します。
そして
紙は膨れて破れやすくなります。💥

絵の具の水分で紙がふにゃふにゃするんですね!
その弱点を補うために、紙職人たちは考えました。
紙を水から守る方法を。
それが…

繊維だけで漉きあげられた紙は、
そのままでは水の吸収が強すぎます。
水を含んだら破れやすいし、絵の具もひどくにじんでしまう。
何とか出来ないか・・・
紙職人たちは、ついに
動物性のゼラチンでサイジングすることを発明!!!
これによって、紙は程よく水をはじき、
彩色のコントロールがしやすくなったのです。
アルシュ水彩紙では、
コットンを水でほぐして繊維状にする時に、
繊維内部にサイジング剤を投入します。
さらにその繊維が、シート状の水彩紙になったら、
ゼラチンのプールに浸して紙の表面をサイジングします。
👁️❗️コットンは特に吸水性があるから2段階のにじみ止めをします。
だからアルシュ紙は、
裏表両面が水彩絵具を使うのに適した状態に仕上がるのですね。
②筆圧による水彩紙の毛羽立ちを防ぐ。
③水彩紙の繊維の隙間を埋め、水分の浸透を抑制し、絵具がにじみにくい性質を作る。
④サイジングの強さを変えると、にじみやぼかしの効果に違いを持たせられる。
⑤サイジング剤の種類・配合を変え、にじみ方や発色に違いを持たせられる。
⑥強めのサイジングは、比較的発色が良くなる。
これは、サイジングの劣化のこと。
その時は、市販のサイジング剤を塗って風邪を治してやるといいね。
補足:人・生活を支える「バイオミメティクス」
※興味のある方はどうぞ読んでください!
木材パルプ発明はスズメバチ様のおかげです。
このように、
生物の機能や構造などを模倣したり、
それらから着想を得たりして、
新しい技術の開発やものづくりに活かすことを
バイオミメティクス(生物模倣技術)と言います
🕷️ 生物(bio)+模倣(mimetic)=バイオミメティクス(生物模倣技術)
そのほかの「バイオミメティクス」の例を上げましょう。
ハスの葉の表面が細かい凹凸構造で水を弾くことから着想し、これに似た構造をヨーグルトのふたに加工します。すると、ふたにヨーグルトがつかず、無駄なく食べられます。
衣服のポケットや袖口、靴のストラップ、鞄の開閉部、ケーブル結束バンド、医療用サポーター、工業用部品の固定など多方面での活躍ですね。私は腰痛予防の腰コルセットでお世話になってます。
仲津英治さんたちは、パンタグラフの風切り音を低減するために、着想から4年をかけて、500系新幹線にフクロウの羽の仕組みをパンタグラフに取り入れました。それまでの騒音は30%カットされました。
新幹線がトンネルに高速で進入すると空気が圧縮し、トンネルから出る時に衝撃波が発生!ドン!これが出口で発生する「トンネルドン」です。
これの低減かつ高速走行時の空気抵抗低減のために、カワセミのくちばしを模倣しました。
これは、ナメクジが粘液をつかって体表面の汚れを落とす仕組みを模倣しています。
「自己潤滑性ゲル」は、シリコーン樹脂とシリコーンオイルから構成されたゲル状物質です。
低温環境下で表面にオイルがにじみでることで、液体や固体の汚れが付きにくくなります。
豪雪地帯でおこなった実証実験では、「自己潤滑性ゲル」フィルムを貼り付けた場所では、雪が滑落しやすくなり、着雪を防止できました。
標識や反射材、信号機、太陽光パネルの着氷、着雪を防止することで雪害の軽減につながる材料になります。ナメクジ様のおかげです。
サメの皮膚には、小さな突起1つひとつに小さなV字状の溝があります。これらの溝は、獲物を狙って速く泳ごうとする時に、皮膚表面に発生する乱流を打ち消す働きをするのです。
米航空宇宙局(NASA)やバイオメカニクスの研究者、サメの研究者たちが目指した研究開発はとんでもなく凄い努力があったようです。
ヤモリの足裏には、微細な繊維が高密に生え揃っています。壁や天井を脚の繊維を接着しながら移動できるところに着目し、人工粘着テープ「ヤモリテープ」が開発されました。
これは接着面を全く汚染しないため、宇宙から持ち帰った物質に接着しいろんな角度から分析するのに役立っているようです。

「猫の舌から着想したサイクロン掃除機」
「海を渡る蝶から着想した扇風機」
など、いろいろあるようです。
これからもいっぱい勉強して自然に感謝し絵を描きましょう!
では、また別の記事でお会いしましょう!




















それを育て作り上げた職人様の愛情がこもっている。
そして、全てが違う性格をしている。